その音を聞き届けてから少しして、ルキアはおずおずと布団から這い出す。
まずは涙でぐちゃぐちゃになった顔を拭き、それからきっちりと体にバスタオルを巻きなおすと、着替えるより先に玄関の鍵をかけに部屋を出た。
先程までぼんやり明るい薄闇であったが、今はさすがに闇濃くなんなく周囲が窺える程度になっていた。
だがそこは勝手知ったる我が家なので、電気は点けず玄関まで降りると手探りで鍵をかけ、それから改めて着替えをしようと階段をあがり部屋へと戻った。

知り合いの男に裸を見られるなんて、今日は本当に最悪な日だ・・・

何度も思い返しては羞恥と落胆が無限ループに頭の中を巡り続け、
もう何度目かわからぬ大きな溜息をつきながら、ルキアは自室のドアを開けた。




「少しは落ち着いたか?ルキアちゃん。」






『 隣のおにいさん ・ 2 』





「!!!????っ」

 


誰もいないはずの暗い部屋から突如ギンの声が頭から降り注ぎ、ルキアは叫び声もあげれぬ程の驚きに心臓がぎゅっとなりながら、
それでも防衛本能は働き、とにかくここから逃げ出そうとルキアの体は反射的に部屋から飛び出そうとした。

しかし、闇の中伸びてきた手にルキアの腕はしっかりと掴まり引き寄せられ、背後から包み込まれるように抱き締められる。
これにはさすがにルキアが大声で叫び出しそうになるが、それを感づいた大きな手がルキアの口を優しく塞ぎ、耳元へ息が吹きかかる距離に唇が寄せられた。


「しーっ。僕やルキアちゃん。大きな声、出したらあかんよ。」

「ギ・・ギン兄!なぜここに!?」

「どんな言うてもここ開けてくれそうになかったやん。そしたら、ルキアちゃんの部屋の窓、日中開けてあったん思い出してな。
おばちゃんも急いで出て行ったし、まだ開いとるはずやと思うたらビンゴやった。
窓から部屋に移動なんて小さい頃以来やね。懐かしかったわ〜」

「な、なにを呑気なことを言っておるか!
幼少期ならまだしも、女の部屋に勝手に入るなど、今の時代では犯罪行為であるぞ!?」

「せやかて、ルキアちゃんのことが心配やったし、水臭い事いいなや。」

「・・・」


手段はともかく、本当に自分の事を心配してのことのようで、さすがにただ無碍にするのも悪くなり、ルキアは懇願するように頭を垂れる。


「ギ・・・市丸さんには心配をかけ申し訳ないとは思う。
しかし今は、とてもまともに貴方の顔を見てはおれぬのだ!お願いだから帰ってくれ!私を一人にさせてくれ!」

「それはできんよ。」

「どうしてだ!?」

「どうしてて、なんで僕が帰らなあかんの?」

「なんでとはなんだ!年頃の娘が他人に・・・・あ、あんな姿を見られたのだぞ!?
私の気持ちも少しは察せよ!恥ずかしすぎて死にそうなのだ!!」


のらくらとした反応のギンへの苛立ちに、段々と興奮し声を荒げるルキアとは対照的に、
ギンの方ははひどくおかしそうに密やかに喉元をくくっと鳴らす。


「恥ずかしいて、あんなんが?

胸見られたくらいで死んでしもうたら大変や。
・・・これからもっと、恥ずかしいことするようになるんやから。」

「貴方は、なにを言って・・・!!!」


意味深に声を潜ませるギンの方へとルキアが睨みつけようと顔を向けた途端、
顎を掴み更に上向けられると無防備に開いた唇をギンの唇が隙なく塞ぎ、口中を犯すように舌が侵入し絡みつけられる。


「んんっ!?ふっ、むーっ!!!」


舌を舌で舐められる初めての経験にルキアは驚愕していた。
その感触はひどく奇妙で違和感あるものながら、胸の奥が疼き踊るような強い悦楽が生み出される。
だがルキアはその悦楽に流されることを拒み、深く唇を密着させたまま手を振り回しギンの体を叩き押しのけようとした。

暴れるルキアに仕方なく顔を上げたギンから、なんとか腕を振り解き離れ、また背中をとられることを警戒し、ルキアは真正面に向かい立つ。


「・・・あかんなぁルキアちゃん。キスの最中は、大人しゅうしてくれな。」

「なっ・・なっ・・・ななな・・・貴様はなに、を・・・・・」

「なにて、キスやん。子供の頃はルキアちゃんとも、ようしたもんやろ?」

「ここ子供の頃のキスとは全然違う!」

「そらそーやろねぇ。大人版やもん。」

「あっ!?」


じりじりと少しずつ後ずさり二人の間をとろうとしたルキアであったが、ギンはそんな僅かな距離などものともせず、
大股で一気にルキアの傍へと詰め寄ると、片手はルキアの手首を掴み、もう片方の手はルキアの後頭部をしっかりと固定し、
ルキアを相手にまたも大人のキスを十分に堪能する。


「ふぅ・・・くっ、んん〜〜〜っ」


一度目より深く深く味わい貪られ、ルキアは塞がれた口の中で悲鳴をあげる。
しかしそんなルキアの抗議すらギンには愛らしく心地良い。
懐かぬ猫をゆっくりと服従させていくように、暴れるルキアから舌の動きだけで無抵抗にさせると、
長い長い口付けを終えた時、膝から力が抜けたルキアは一人で立っていることも敵わずその場にへたりこんでしまう。
朦朧とした表情で息を切らせ座り込んだルキアに、ギンは口元をくっきりと持ち上げ笑い、長い膝を折り熱に潤んだ大きな瞳を覗き込む。


「はぁ・・・はぁ・・・はっ・・」

「ごめんなルキアちゃん。ルキアちゃんとのキスがあんまり気持ち良うて、途中でやめてあげられんかった。
けど僕は、もうずーっと前からルキアちゃんと大人のキスがしとうてしとうて堪らんかったんよ。」

「どうして・・そんな・・・」

「どうしてて、そんなん決まっとるわ。」

「なにが・・決まっていると・・・」

「ルキアちゃんが、好きやからに決まっとるやろ?」

「!」


思いがけない告白に、酸欠状態で意識が混濁しかけていたルキアは、強いショックに目が覚める思いであった。
あまりにも予想外の展開に茫然自失なルキアに構わず、ギンは気にした風もなく淡々と思いのたけを言い連ねる。


「ほんまはおばちゃんにも悪い思うたし、さすがに高校卒業するまではなんとか手ぇ出さんで我慢しようかとしてたんやけど、
元々我慢とか性にあわんの無理にしとったもんやから、ルキアちゃんの生チチ見せられたらこれ以上我慢なんて僕にはとてもできん。
理性も一瞬でぶっ飛ぶわ。」

「な・・な・・なななな・・・!」

「もっとほんまの事言うたら、おばちゃんの留守狙うて、ルキアちゃんによからんことしたろうと思うとったんうやけど、
まさかこんなんええきっかけをルキアちゃんが作ってくれるとは思うとらんかった。ほんまラッキーやったなぁ♪」

「な・・・う・・ううっ・・・」

「せやけど、ごめんなルキアちゃん。
僕もう、ただの優しい近所のお兄ちゃん演じとくなんて、できそうもないんよ。」

「う・・う・・・ううううううう」

「う?」


ギンが話している最中に俯いてしまったルキアから微かに呻き声が聞こえ、ギンがルキアの様子を見る為下から覗き込もうとするよりも早く、
唐突に顔を上げたルキアがギンを睨みつけ一言吼えた。


「そんなの嘘だっ!」


一片の嘘もない自分の想いを真っ向から否定される不本意さに、ギンは少なからずムッとした様子でルキアに訊ねる。


「嘘?ほんまに長い時間ルキアちゃんの事想うとったのに、なんで僕の気持ち嘘や思うの?」

「だってギン兄はたまに街で見かけると、いつも違う女を連れ歩いているではないか!
そ、それも私とは似ても似つかぬ、大きな胸の者ばかり!」

「そら反動や。ルキアちゃんに手ぇ出せんストレスの反動に、真逆のタイプに手ぇ出して自分誤魔化してたんやもん。」

「ならば、なら・・どうしてもっと早く私に言わなかった!?」

「そら下手に言えんよー。
義務教育も終わっとらん子に手ぇ出したら犯罪やし、さすがにおばちゃんに顔向けもできんしな。」

「だ、だったら・・だったら、
その・・・だから・・・・・わあっ!?」


色んな気持ちが入り乱れた状態ではあったが、とにかくギンになにか問い質そうとルキアが必死になって頭を悩ませている隙に、
ギンはひょいっとルキアを抱え上げ、いとも簡単にぼすんっとベットの上で押し倒す。

押し倒した自分の上に嬉しげに乗り上げたギンを、ルキアは元来大きな瞳を更に愕然と見開き見つめ、ギンはこの上なく上機嫌に相好を崩した。


「こんなん言葉でなに言うても納得できんのやろ?
そしたら実力行使示させてもらうわ。そん方が話も早くてええやろ?」

「何を言うか!誰がそのような事を許したと・・・!
やっ!?なにをしている!やめっ!・・・あ、あ・・・あぁっ!」


まずは体に巻きつけられたバスタオルを引き外し、閉じられぬようにルキアの足の間に長い自分の足を抜かりなく割り込み入れだ。
それからギンは抵抗されぬようルキアの両腕を掴み万歳するように布団の上へと押し付け拘束し、
もうなにも覆い隠されておらぬルキアの小さな膨らみの胸を存分に眺めほくそ笑む。


「水泳部のわりにはあんま焼けとらんね。
・・・あぁ。でも、うすーくやけどよう見ると水着の跡がついとるな。
大きゅうないけど、ちぃちゃいおわん型で美乳やね。肌が白ぅてほんまに綺麗やわ。」

「や、やだぁ!ギン兄やだっ・・・!」

「またこん乳首が可愛ええな。ちいちゃいくせに、ちゃーんと尖ってきよる。
まだ触られてもおらんのに、見られとるだけでも興奮しとるね?高感度で、ええおっぱいや。」

「あっ、あんっ・・あぁっ!やだぁ!」


息が肌にかかるほど間近でギンに眺め回され、ルキアは恥ずかしさと緊張に硬直した体を微かに震わせた。
恥らうルキアにギンはニヤリと悪い笑みを浮かべると、片手でルキアの両手を拘束し直すと、
自由になった手で微かに尖り始めたルキアの乳首を摘み、指先でこりこりとしごき始める。
その刺激に反応したルキアはびくんと跳ねた。


「ひぁっ!?」

「ここ、擦られると気持ちええやろ?知らんかった?」

「しっ・・・知ら・・ない・・・そんなの、知らないぃ・・・!」

「そうか。知らんのか。そしたら悪いお兄さんがいっぱい色々教えたげるからねぇ。楽しんでくれたらええよ。」

「ふぇっ・・・?」


こんなささやかな攻撃にもルキアの体は抑えようもなくびくびくと震わせ、こみあげた涙に熱く潤む瞳で不安げにギンをみつめた。
その視線を受けたギンは、ルキアに見せ付けるように舌を伸ばし、わざと感じる中心点は避け、
そこから波紋していくように柔らかな肌の上をくねり進む蛇のごとく舐め回す。


「ふあっ!?うぅっ・・・くっ!ううう〜っ!」


ギンの舌が己の肌の上を這いずり回る感触に、喘ぎ声をあげそうになったルキアは強く唇を噛み締めた。
しかしそれに気付いたギンは不服げに顔を上げる。


「なんで、声出すん我慢しとるの?」

「いや・・だ!声を出すと・・出すと・・・へ、変な声が・・出て、しまう・・・」

「今この家に僕ら二人しかおらんのやし、気にせんでええよ。ルキアちゃんの声、僕にいっぱい聞かしてな。」

「うぅ・・・っくぅ・・ん!やぁ、だ。こんな・・の・・・ギン兄ぃ・・・・・」


固く閉じたルキアの唇の戒めを解くべく、じゃれるようなキスを軽く交わす。
その優しい甘さにつられ、ルキアが薄く口を開けば、それを確認したギンはすぐに乳首に吸い付いた。


ちゅ、ちゅぅ・・・


「あっ・・!あぁっ!はぁ・・んっ!」


音を立て乳首に吸い付き、ギンの舌はねちねちと固い乳首を嬲り回す。
それは、初めてルキアが味わう強烈な快楽。敏感に尖った乳首への刺激に抗う術を知らず、
ギンの舌先や唇が僅かでも動けばそれに反響するように喘ぎ声をあげてしまう。


「ええ声で啼くなぁ。おっぱいちゅうちゅうされて、そんな気持ちええの?」

「ううっ・・ふぅんっ・・・」

「顔真っ赤にさせて可愛ええよ。ほんま可愛いらしゅうて、なんやもっともっと苛めて泣かせとうなる。」


的確な愛撫に追い込まれ、ルキアは早くも頬を赤く蒸気させぐったりとしてしまうが、それでも止まぬギンの猛攻にルキアはあられもなく泣き出した。


「もういやだっ!こんなこと、もうやめて!頼む!ギン兄!!!」

「もうやめろて?何言うとるのルキアちゃん。まだ始まってもおらんのに。
始める言うのは、ここに僕を受け入れてくれたらやろ?」

「・・・ひぃっ!?」


言うなりギンの手がルキアの膝を掴み、そのままグッと胸の方へと押し倒す。
手首の拘束は解かれはしたが、今度は足を前のめりに拘束され、腹や胸にかかる圧迫感に体ごとベットへと縫い付けられたように身動きが出来ない。
他人にはもちろん、自分でもまともに見たことのない大事な部分を大きく開け広げられ、胸どころではない動揺にルキアは声高な叫びを上げる。
しかしギンはもがき逃げ出そうとするルキアをしっかりと押さえつけ、もっとよく観察しようと顔を近づけ、一層いやらしい笑みを浮かべる。


「あっ!やだ!やめろっ!!!」

「たぶん生えておらんと思うてたけど、見事につるっつるやねぇ。ここだけはほんまに昔のまんまとちゃうの?」

「やだ見るな!だめ!そんな所、見ないでくれっ!!」

「見るな言われても無理やて。夢にまで見たルキアちゃんの生オマ○コ。見んでおれるわけないやろ?」

「た、た、たわけ〜〜〜〜〜〜っ!?」


茂みのない秘所をからかい、控えめな襞を悪戯にくちゅくちゅと指で弄られ、ギンに体だけでなく心までもかき乱され、
突き刺さるまでにそこに感じる熱い視線にルキアの下肢疼く熱が溢れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※切り替え部分が不自然ですが、お話を無理に分割しておりますゆえお許しください。
 また、一週間ごとに更新するつもりがもう十日たってるし。全然思った通りにできてない。
 あと2回更新します。楽しんでもらえたら幸いです。

2014.9.20 (2011.2.14発行作品)

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