25日の昼。
リビングでくつろいでいるルキアに、ジャケットを着込んだ一護が呼びかけた。
「おいルキア。時間あるならちょっと付き合えよ。」
「む?どうした一護?出かけるのか?」
「あぁ。俺あいつらのプレゼント買ってなかったんだよ。
悪りぃけど、なんか適当なもん、お前が見立ててくれねぇか?」
一護の言葉に、ルキアはクリスマスのなけなしの知識を振り絞り、訝しげな顔をした。
「ぷれぜんと?だがそれは、いぶとやらで、昨日までの話ではなかったのか?」
「だから、買えなくて遅くなっちまったけど、やらねぇわけにはいかねぇだろ?
・・・男一人であんな店入れねぇし、暇だったら一緒に来てくれ。」
律儀な一護に、ルキアは満面の笑みを浮かべた。
「お前は本当に良い兄だな。よし!では付き合ってやろう!!」
ルキアは即座に立ち上がり、ハンガーにかけてあったコートを手に取った。
そして一護は、コートを着込むルキアの背中に、ややぎこちない声をかける。
「・・・付き合ってくれた礼に、お前が欲しいもんも、なんか、買ってやるから。」
「なに?!本当か!!」
ルキアは瞳を輝かせ振り向き、一護はその視線は避けやや頬を赤く染め呟く。
「・・・あんま高いのは、勘弁しろよ。」
「丁度この前、可愛らしいウサギの小物入れを見つけたのだ!」
小物入れ・・・それくらいなら余裕でセーフだろう。
ルキアを連れ立ち、買い物に出かける計画成功に一護は秘かに安堵した。
まさかこの買い物の真の目的が、ルキアへ自然に贈り物をしたいがためだなんて、誰にも知られてはならない。
「寒みぃから、マフラーもしとけ。」
「うむ!これで大丈夫だ!それでは、行こう!!」
「おう・・・」
上機嫌なルキアの後から、一護は大人しくついて行く。
遅くなったクリスマスプレゼントを求めて、二人は賑やかな街並み目指し歩き出した。