パン パンパン!

「はぁーぴぃーばぁーすでぇい!いっちごーーーー!!!」
一護は教室の扉をくぐった瞬間、いつもハイテンションな友人の浮かれた大声と、
乾いた破裂音と同時に起きる火薬の匂いとカラフルな紙テープと紙吹雪に包まれた。






『 一護生誕祭 』




「あ?・・・あぁ?なんだぁ・・・?」

今朝会うと真っ先に妹達から誕生祝いの言葉を述べられ、今日が自分の誕生日だという事はわかっていたが、
教室に入ってすぐこんなセレモニーがあるとは思わず、一護は目を丸くし立ち止まる。

「いやー!一護ももう16歳!!子供から大人への階段を登ったね☆めーでーたーい!!!」

「お、おめでとう!黒崎くん。」

「あ、あんた今日だったね。ま、一応おめでと。」

「一護おめでとー。夜一人で寂しいなら今日くらい何人かお姉さん呼んであげてもいいよ?」

「・・・・・おめでとう。」

クラッカーを握り締めた啓吾と織姫。側にはたつき、水色、なんと茶度まで一護を囲み皆それぞれ祝いの言葉を述べてきた。

「お、おぉ・・・さんきゅ。」

頭や肩に赤い紙テープを乗せたまま一護は皆の勢いになんとなく圧倒されつつ律儀に礼を言う。

「ほーら一護くん!これは僕からのささやかな気持ちだ!心して楽しみたまえ!!」

啓吾は満面の笑みを浮かべ、雑誌が入っているであろう形状の紙袋を手渡した。

その様子に一護は眉根をひそめ、やや冷ややかな視線を啓吾へと向けた。

「・・・啓吾。」

「16歳になった記念の俺特選スペシャルだからな!礼なんていいってことよ!!」

一護の視線に気付かぬ啓吾は、相変わらずの一人盛り上がりで親指をたてポーズを決めた。

(・・・エロ本だな。間違いなく。)

やたら巨乳好きな啓吾とそっちの趣味はあまりあわないのだが、それでも眺める分には問題ないであろう。

「・・・悪いな、啓吾。」

「おう!!」

ただし、こんな人前で堂々と渡さないで欲しかった。

黒崎一護、本日で16歳。まだまだ思春期真っ只中。

いかがわしい本をいらないとはいえないお年頃でもある。

なんの本なの?と無邪気に尋ねてくる織姫を軽くかわし、一護はすぐに鞄にしまう。

なんであるか気付いた様子のたつきの視線が痛い。

「あたしは織姫に言われて今朝思い出したんだよね。なんもないから、これ、あげる。」

「・・・むっ。」

たつきは自分用に買っていた手のひらサイズの黄色い箱の携帯食を渡し、茶度はシンプルなデザインのリストバンドを手渡した。

「お、チャド!これいいデザインだな!たつきもわざわざ悪かったな。」

「さっきも言ったけど、僕は今夜一緒に居てくれるお姉さんなら紹介できるよ。

一護は綺麗系と可愛い系どっち好き?」

「・・・小島、お前のは気持ちだけで十分だ。」

「ええぇ〜〜〜なにそれ?!俺ん時なんにもしてくれなかったのに!俺に紹介してくれ〜〜〜!!!」

織姫は殻のクラッカーをしまうと、たつきに持ってもらっていたプレゼントの袋を一護の胸に押し付けた。

「あ、あのね黒崎くん!・・・こ、これ!プレゼント!!!」

「なんだよ井上まで。本当にこんなことしてくれなくても良かったんだぜ?」

「い、いいの!私がなにかあげたいなーって思ったんだから!」

織姫はほんのり頬を染め、恥ずかしげに俯いた。

「えぇー?!井上さんからナニもらったんだよー!きぃー!羨ましい!!見せてー!一護ぉー!!!」

「うわっ!わ、わかった!今開けっから落ち着け啓吾!!」

啓吾は一護に向かって両手をぶんぶんと振り回し、一護はソレを避けながらもらったばかりの紙袋を開け中を覗き込むと絶句した。

「なんだよー!独り占めはんたーい!皆の幸せは俺のしあわせ・・・?」

動きを止めた一護の手から袋を奪い、中のものを引き出した啓吾の動きも止まる。

周りの皆が啓吾の手に握られたものに注目し、動きを止めた。

「・・・お、織姫、これ・・・もしかして。」

「うん!腹巻だよ!!」

周囲に渦巻く微妙な空気に気付かないのか織姫は明るく固定した。

「は、腹巻・・・」

「そう!これから暑くなるからお布団被らないでお腹壊すかもしれないから!」

ニコニコ微笑む無邪気な笑顔に皆引きつった笑顔を返し、口々に褒めだした。

「い、いやーさすが井上さんだなぁ!そんなことまで気遣ったりして!」

「そ、そうね。お腹壊すと大変だもんね。」

「これ手作りでしょ?井上さんお裁縫上手なんだね?」

「・・・むっ。」

腹巻は夏空のような青い生地に真っ赤な苺のアップリケがついており、普通であれば大爆笑を誘うプレゼントなのに皆なんとか褒めようと必死になっている。

(織姫・・・あんた好きな男のプレゼントに手作り腹巻って・・・)

たつきは胸のうちで小さく呟きながらも、嬉しそうに笑う織姫をあきれつつも愛おしく眺めた。

あまりに予想外のプレゼントに虚を突かれ唖然とした一護の背中から、聞きなれた声が響く。

「・・・皆さん、どうかなさったんですか?」

「あぁ!!朽木さぁん!!!今日もなんて可愛らしい!!」

すかさず一護の後ろに立っていたルキアに啓吾が叫ぶ。

浦原商店に寄ってから登校してきたルキアは、戸口に突っ立ったままでいる一護を眺め不審げな顔をした。

「!あ、ル・・・朽木。」

「皆様おはようございます。・・あら、黒崎くん。なんだかずいぶん楽しそうですわね?」

ルキアに言われ、ずっと紙テープや紙吹雪をつけたままにしていたことを思い出し、一護は慌てて全身を払った。

「今日は、一護の誕生日なんですよ☆」

「誕生日・・・い・・黒崎くんの?」

「そう!これでコイツも16歳!もう大人の仲間入りを祝して皆でお祝いをしていたんです!」

「まぁ、それで・・・」

「ちなみに僕からのプレゼントは、大人になるのには絶対必要な・・・ガフッ!」

「いい、もうお前は黙れ。」

陽気に喋り捲る啓吾の腹に一護は適度な力を込めた拳を埋め、言葉を断ち切った。

「・・・それは?」

痙攣する啓吾の手に握られたままの真っ青な腹巻を見つけ、ルキアが尋ねると織姫が手を挙げた。

「ハーイ。私からのプレゼントでーす!綺麗な色でしょ?」

皆に褒められたせいか嬉しげに織姫は言い、ルキアは啓吾の手からそっと腹巻を受け取った。

じっと見つめたルキアが不意に静かな声で呟いた。

「本当に綺麗な色。それにとてもお上手ですわ。・・・黒崎くんは、幸せですわね。」

にっこり微笑みながらルキアは一護へと手渡し、横をすり抜け自分の席へと歩いていく。

(・・・なんだ?)

そのルキアの背中が妙に落ち込んでいるように見えた一護が、声をかけようとした瞬間始業のチャイムが鳴り皆慌てて自分の席へと戻っていった。

「あ、啓吾。紙吹雪、ちゃんと片付けてよね。」

「え?なんで俺だけ?!」

過剰なリアクションでショックを受け、それでも従順な啓吾はすぐにホウキを手にして掃き集める。

「ん?なんだぁ浅野!掃除がしたいなら今日の放課後資料室の掃除をしてってくれ。」

「え〜〜〜うそぉ?!!!」

やってきた担任と啓吾のやり取りに教室は笑いに包まれたが、一護は物思いに沈んだルキアの横顔が気になってその日一日ずっと授業に集中できなかった。

 

 

 

放課後、ルキアは真っ先に教室を出て行き、後には一護の誕生会と称した仲間達とのカラオケ大会が待っていた。

今日の昼休みもルキアはどこかに行っていて姿を見せず、やっぱり変だと思った一護はルキアが気になり気が気ではない。
しかし今日の主人公である彼はこの後も予定が入っていた。

「よぉーし!行くぜ皆!この不幸な我が身を歌い飛ばすぜ!」

本当に資料室を強制掃除させられた啓吾は意味不明なテンションで皆の先頭を陽気に駆ける。

「あー・・・啓吾、俺一時間で抜けるぞ。」

「あぁ?!なんでだよ?三時間は歌わなきゃ歌った気がしねぇじゃん!!」

「・・・妹が、待ってんだよ。」

それは本当だった。

今朝遊子が張り切って誕生パーティーをすると言っていたので、準備が整う時間には帰らなければならない。

「あ、そうだね。じゃ一時間だけね。」

織姫が少々残念そうに、それでも嬉しそうに微笑んだ。

たつきはそんな織姫の頭を優しく撫でる。

「遊子ちゃんのことだから、今頃すごいの作ってるだろーね。」

「・・・ああ。」

たつきの言葉に一護は上の空で相槌をうち、なんとなく振り返る。

こうして自分の誕生日を祝ってくれる仲間や家族より、一護の心はルキアのことしか考えられない。

(一体どうしたんだよ・・・ルキア。)

本当はすぐにでも駆け出し霊圧を探りルキアを見つけたい気持ちで一杯にしながら、一護は浮かぬ顔してカラオケ店へ入って行った。

 

 

ルキアが帰ってきたのはあと二十分で日付が変わる、そんな時間だった。

家で誕生会が終わり、そのままルキアを探しに出掛けようとしたら妹達にせがまれ庭で花火大会になってしまった。

結局そのままタイミングをはずしてしまい、そんなにせず帰るだろうと思い直して部屋で待っていることにした。

一応ベットに寝転んでみたものの、当然ながら一護は全く寝付けずぐだぐだと寝返りをうちルキアの帰りを待つ。

起きて待ち構えていてはいかにもなので、静かに開けた窓から音もなくルキアが入って来たので気配で目が覚めたフリをする。

「・・・んだよ。ずいぶん遅かったじゃねぇか。」

「・・起こしてしまったか?すまなかったな。」

ルキアは冷たい声で謝り、背を向け突っ立ったまま一護の方へ顔も向けない。

当然部屋には明かりがなく、初夏の月がぼんやりとした光でルキアの背中を淡く照らしていた。

「・・・なに、怒ってんだよ。」

「怒ってなど、いない。」

「嘘つけよ。・・・朝から変だったじゃねぇか。」

「・・・」

「なんだよ、俺なんか怒らすようなことしたか?」

「・・・」

「・・・ルキア」

無反応なルキアの態度に苛立ちを感じ、ついに一護はベットから立ち上がる。

しかしその気配を感じ、ルキアは素早く押入れの中に入ってしまった。

「!なっ・・・!!」

一護すぐに頭に血が上る。

(なんだその態度!俺が一体なにしたっていうんだ?!)

声に出来ない苛立ちが湧き出て、一護は押入れの戸に手をかけ引き開けようとするが、中からルキアが押さえていて簡単には開きそうもない。

もちろん本気を出せばルキアが敵うわけないが、さすがにそこまで乱暴な対応は出来ず、音を気にしつつも戸をがたがたと震わせながら押し殺した声で一護は怒鳴った。

「てめっ・・・いい加減にしろよ!なんなんだよ一体!訳わかんねぇだろ?!」

「・・・貴様が、悪いのだ!!」

やっといつものルキアの声で怒鳴られ、一護はやや安心する。

でもルキアは俺が悪いと言っているが、自分では全く身に覚えがない。

なんとなく不愉快な気分で音量を気遣い、またしても怒鳴る。

「あぁ?!なんだよ?俺が悪いって。お前になにもしてねーだろ?」

「・・・言わなかったではないか。」

「は?なにが言わないって?」

「貴様が今日誕生日だったこと、私に言わなかったではないか!!」

意外な返答に驚き、思わず一護の手が押入れの戸から離れた。

(なに?俺が今日誕生日だって言わなかったから怒らせたのか・・・?)

「・・・んだよ、そんなことでか?」

「そ、そんなことではない!!」

一護の呟きに過剰に反応したルキアは、思わずカッとなり押入れの戸を引き開く。

薄い闇を透かして二人はひたりと見つめあう。

一護はまだ驚きを宿し、ルキアは怒りに瞳を燃やし見詰め合う。

一護にしたらなぜここまでルキアが怒りを感じているかわからない。

確かにルキアに誕生日を教えなかったが、聞かれもしないのに教えるほうが一護にしたらおかしいと思う。

どうでもいいこと。とまでは言わないが、自分の誕生日などどうしても重要事項ではないであろう。

しかし、現にこうしてルキアは怒っている。

よくは理解できないが軽い仲間はずれ感覚を味合わせてしまったのだろうと、一護は素直に謝った。

「あー・・・、ルキア、その、悪かったよ言わなくて。」

ルキアは一護の言葉に不貞腐れた様に目を逸らす。

一護は所在無く髪を掻き、たどたどしく言葉を綴る。

「なんっつーかさぁ・・・わざわざ自分から今日誕生日とかって、普通言わねぇじゃん。

でも、それでルキアに嫌な思いさせたみたいだし、本当悪かったよ。」

こんなことでルキアに寂しい思いをさせてしまったせめても詫びにと、一護は潔く頭を下げた。

その気配を察し、一護の方を盗み見たルキアは小さく溜息をつく。

確かに一護の言うとおり少々ごね過ぎてしまったと思うルキアは、やや決まり悪くなった。

「・・・本当に貴様は、たわけ者だ。」

一護の真摯な謝罪の言葉にルキアはゆっくりと顔を向け、気恥ずかしげに微笑んでみせた。

その笑顔に一護の胸がどきりと鳴る。

(!・・・っ、不意打ち、だ。)

やっと機嫌を直してくれたルキアの微笑みに一護の胸は鷲掴まれた。

ルキアは身軽に押入れから飛び降り、一護の側に近寄ってくる。

「もっと早く言っておけば良かったのだ。私だけ知らぬとは仮にも一緒に住んでいるのに体裁が悪い。

そうすれば私も皆のようにささやかな贈り物くらい調達したものを。」

やっぱりルキアは疎外感に気を悪くしていたらしい。

ただでさえ彼女は死神という異質な存在なのだから、一護が思う以上につらかったのかもしれない。

ならば今、ルキアからもらってもいいはずだ。

俺が一番欲しいもの。それはーーーー

一護は改めてそう思うと、知らず手が動きルキアの細い肩を掴む。

「くれよ。」

「?なんだ一護?」

「お前から、欲しいんだ。」

「でも私は何も持っていないぞ?」

一護の言葉にルキアはキョトンとするが、反対に一護の声には思いつめたような熱がこもる。

「ルキアからしか、もらえない。」

「・・・一護?」

「キス、してくれ。」

「!・・・キ・・い、一護。ほ、本気・・なのか?」

ルキアは驚きで瞬時に顔を真っ赤に染め自然と身を引こうとするが、一護の手が楔になりその場から動けない。

困惑するルキアを見て、我に返った一護は慌てて手を離しベットに腰掛けた。

「いや、お前が嫌なら無理強いしない。突然、悪かったな。ほら、誕生日だったからよ。調子に乗った。」

精一杯の優しさでこの場を誤魔化そうとする一護の側に、ためらいがちにルキアが近づく。

「・・・ルキア。」

いくらルキアが小さくても、ベットに腰掛けた状態では一護もルキアを見上げるしかない。

ルキアは唇を噛み締め、泣きそうなのを我慢している子供のような顔をしていた。

「冗談ではないな?・・・本気、なんだな?」

「・・・ああ。」

一護の返答にルキアは一度深く深呼吸すると、決意を固め一護へと手を伸ばす。

「ならば・・・目を、瞑れ。」

ルキアの小さな手が一護の頬を優しく挟み、その感触は心地よく一護はゆっくりと目を閉じた。

暗闇の中ルキアの息遣いを間近に感じる。

浅くやや落ち着きなく繰り返される吐息。

湯上りの湿った空気に混じり、甘いシャンプーの香りが鼻腔をくすぐる。

一護の頬に添えられた両手は、極度の緊張の為小刻みに震えていた。

ルキアに覆い被さられる気配を感じ、熱い息もかかるまでに近づいてきた。

だが、一護が求める感触は一向に与えられない。

従順に待っていることに痺れをきらし、目を開けようかと一護が悩み始めた頃、。

微かに、本当に微かに柔らかな感触が素早く唇に触れた。

と思った瞬間、一護を包むルキアの気配が消えた。

は?あれで終わりか??

一護は大いに不満が残り、目を開けると死神少女が押入れの中に逃げ込もうとしている所であった。

「ルキア・・・!」

「く、来るな!一護!!」

恥ずかしさで狼狽したルキアはもたつき、うまく扉を閉められず追ってきた一護にあっさり引きずり出された。

「おい!まさかあれで終わりじゃねぇだろうな・・・?」

「な、なんだ!ちゃんとキ、キスしたであろう?それにもう、誕生日は終わりだ!」

一護に後ろから拘束され、隣室で眠るの妹達を気遣い小さな声で怒鳴るルキアの耳元にちらりと時計を確認してから一護は囁く。

「・・・まだ誕生日は、あと二分、残ってる。」

「・・・んっ!」

ルキアの顎を指先で掴み自分の方へ向けさせると、今度は存分にその柔らかな唇に己の唇を押し付け感触を楽しむ。

(なんだこれ・・・すげぇ・・気持ちいい・・・。)

一護は16年目にして知る初めてのキスに、頭が甘く痺れ心が蕩ける。

唇に唇を重ねるだけの行為に何故こんなにも胸が沸き立つのか。

一護にはわからない。

腕の中に捕らえたルキアの身体が小さく震えているのを感じ、なお一層にルキアへ愛しさを募らせていく。

初めてのキスに勝手がわからず、一護はただ重ね合わせるだけの不器用なキスを繰り返し、時刻はとっくに零時を過ぎてしまった。

やがて一護は名残惜しくも唇を離し、真っ赤な顔をしたままのルキアを後ろから優しく抱き締めた。

腕の中で顔を伏せ大人しくしていたルキアがふいに呟く。

「・・・一護。」

「なんだ?」

「・・・誕生日、おめでとう。」

「ああ・・・お前からのプレゼントが、一番良かったな。」

「・・・たわけ。」

ルキアの声は照れ隠しに突っ張っていたが、その実ひどく嬉しげに聞こえた。

(可愛いなぁ、こいつ・・・)

捕らえた少女の感触があまりにも気持ち良く、一護はずっとルキアを抱き締めている。

ルキアも一護に抱かれる心地よさに瞳を閉じ、全てを預けており、二人は同じことを思う。

 

この先ずっと一緒に誕生日を迎えたい。

同じ年月を重ねていきたい。

 

強い気持ちを表すように、互いに腕に力を込める。

それからまた二人で見つめあい、もう一度唇を重ねた。

それはもう『誕生日』だからではない、『恋人』としての初めのキスになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2008.7.15

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