小さな、小さな、盃(はい)が、ある。

それは、俺の、心の中に。

それは本当に小さなもので、少し注がれるだけで満たされ簡単に溢れてしまう。

その盃に注がれるものは、
恐怖、
嫉妬、
焦燥で、
俺はそれらを飲み込むことが出来ぬまま、いつも簡単に溢れさせてしまうのだ。

言葉通りの『器の小さい男』

俺だって、そんな不名誉な小さな盃は欲しくない。
出来る事なら、捨ててしまいたい。

しかし、その器は愛しい者から、与えられたもの。
盃を無くすということは、ルキアを失うことになる。

そんなことになるくらいなら、盃をずっと溢れさせていたほうが・・・ずっと、マシだ。






『 盃を満たすは澱む水 』






俺・・・何してるんだ?

ぼんやりとした理性の声が、頭のどこかで小さく呟いている。

部屋の窓からは月明かりが差し込み、この暗闇を照らす僅かな光源だった。
今自分を支配しているのは自分ではない。
黒い感情に犯され、明らかに自分を見失った自分。

やめなければ、こんなこと。
こんなこと、ルキアにしてはいけない。

なのに身体は、いうことをきかない。

一体どうしてしまったんだ?
これは、誰だ?
内なる白い俺自身?
仮面の俺自身?

こんなことをするのが、俺自身、なはずは・・・ないのに。

暗い室内で、
明りも点けずに、
ベットの上で、
泣いているルキアから乱暴に服を剥ぎ取り、
半裸にさせたその白い身体を、
玩ぶように撫で回しながら、
それだけで許さず、
俺の知らない俺自身が、
言葉でもルキアを責め立てる。

「お前は、誰のものだ・・・?」

「・・・い・・・いち・・・ご・・・」

ルキアは大きな瞳を涙に濡らし、知らない人でも見るように俺を見ている。

やめろ、見るな。
そんな目で、俺を見ないでくれ。
理性はそう声をあげているが、その眼差しは悪戯に狂気を駆り立て、どんどん制御ができなくなっていく。

俺の手はルキアの前髪を掴み無理矢理顔を上向かせると、ルキアの目に怯えがはしり、
その影を確認して俺の心は確かに満足しているのを感じてしまう。

「はっきり言えよ。お前は、誰のものなんだ?」

「・・一護・・・お・・・お前の・・・もの・・だ・・」

「そうだよな?お前は、俺のもんだ。・・・それなのに、お前、その俺に内緒で、なにしてたんだよ?」

そう言ってルキアの胸の頂を少しだけ強く摘んで捻りあげれば、
ルキアは痛みに顔をしかめながら、どこか甘さを含んだ悲鳴をあげた。

「うぁっ!?・・・や・・・な、なにも、しておらん!内緒でなど・・なにも・・・なにもない!」

「・・・へぇ?まだ、隠すのか?」

摘んだ指先に力をこめれば、ルキアの顔が苦痛と恐怖に歪んでいく。

「隠すも何も・・・貴様の、勘違・・・やぁっ!!・・い・・痛っ・・やめ・・・!」

「素直に言えば、許してやるのに・・・」

嘘だ。
言えば言ったで、更に激しく責めるだけなのに。

俺は平然と嘘を言い、ルキアの胸を掴み乱暴に揉みあげる。
手の中に完全に隠れる小さな膨らみを両手で押し上げ、硬く尖った先端を指先でぐりぐりと擦る。




普段と違う一護の様子に、ルキアはただただ混乱していた。

誰だ?これは?
一護と同じ容姿をしながら、この溢れ出る黒い気配はなんだ?
本当に・・・一護・・・なのか?

疑問を思わず口にして問いかけそうになり、ルキアは慌てて口を結ぶ。

これは、一護だ。
信じられないが、一護なのだ。
一護に、なにがあったのか。

ルキアは混乱する頭で、どうしてこのような事になったのか、必死で思い出そうとした。






帰りは別々に下校したので、一護とは学校で別れた。
あの時は普段と何も変わりなく思えたが、所用で少し遅く浦原の所から帰ったルキアは、まず窓を見上げ異変に気付いた。

部屋に明りが点いておらず、真っ暗な闇に沈んでいる。
確かに遅くはなったが、一護が就寝するにはまだ早い時刻。
ルキアは訝しく思いながら、多分寝ているのであろう一護を起こさぬように気を配りながら、
いつものように一護の部屋の窓を開け、足音をたてぬよう気遣いながらそっと中に侵入した。

「・・・・遅かったな。」

音もなく床に着地した途端、暗い闇の中から、もっと暗い声で一護の声が聞こえ、ルキアはぎょっとしそちらへと目を向ける。

一護はベットの上で制服姿のまま、壁にもたれ片膝を立て座っていた。
部屋中を闇に満たし、自分もその闇に同化してしまったように見える。

「!!・・い、一護?お、起きていたのか?」

「・・なに、びくついてんだよ?こっそり入ってきたり。なんか、やましいことでもしてきたのか?」

「な!なにをたわけたことを言っている!?
部屋が暗かったから、貴様が寝ていると思っていたのに、声をかけられ驚いただけではないか!!」

ルキアは小さな声で怒鳴り、一護は一瞬だけ沈黙し、
その一護の目が暗く光っているのを見て、ルキアはゾッと背筋が寒くなった。

「・・・本当に、それだけか?」

「・・・?何を、言っている?一護?・・・どうか・・したのか?」

様子のおかしい一護を気遣い、ルキアはベットの上にあがると、一護へと近づき肩に触れようと手を持ち上げた。
しかしその手を一護に強い力で掴まれ、ルキアは思わず息をのむ。
一護は月明かりの中、口の端を持ち上げ歪んだ笑みを浮かべ低い声で呟く。

「・・・なにお前、風呂、入ってきたのかよ?」

近づいたルキアから香る、シャンプーの爽やかな香りに気付いたらしい。
可笑しくもないのに笑っている一護の様子と、その声に潜む邪悪さにルキアは再び背筋に悪寒を感じていながら、
できるだけ怯えを気取られないよう、注意して言葉を発した。

「帰りが・・遅くなってしまったから・・浦原の所で・・借りて・・きた。」

「へぇ・・・?風呂、入らなきゃならないこと、してたんじゃねーの?」

「・・・それは・・どうゆう意味だ?」

聞き咎めたルキアの声の厳しさに気付かぬように、一護は嘲るように奇妙な笑い方をした。

「・・・体中舐められたら、男の匂い、ついちまうだろ?」

バシッ!!!

一瞬で頭に血が上ったルキアは、反射的に掴まれていない手を振り上げ、力一杯一護の頬を叩きつけると、
一護はルキアから手を離し、殴られた状態のまま俯いた。

「・・・ってぇ〜」

「・・・いい加減にせんか!!何を妙に絡んでおる!?
遅く帰宅し、向こうで風呂を借りるなど、今まで何度もしているではないか!
しかも貴様・・・!私が貴様と付き合っていながら、裏でそんな不埒な真似をしていると思っておったのか!
見損なったぞ!!!・・・もう良い!今夜は向こうに泊めてもらう!貴様は一晩、反省せよ!!」

怒りを爆発させまくし立てると、ルキアは即座に立ち上がり、今入ってきたばかりの窓へと駆け寄ろうとした。

しかし、

グイッとルキアは引かれたかと思うと、ベットの上に押し倒されていた。
すぐにさま怒鳴りつけようとしたルキアは、先程より確実に邪気が強くなった自分を見下ろす目の光に気圧されただ呆然と口を開けた。

「・・・なにお前。まだ、してもらう気なのか?」

「・・・い・・・・一護?」

明らかに正気を失っている一護の様子に、
ルキアは恐れで口の中がからからに渇き、それでもなんとか搾り出すように声を発する。
そんなルキアの様子も可笑しそうに眺め、一護はルキアに顔を近づけ、耳朶に舌を這わせて囁いた。

「お前、エッチ大好きだもんなぁ?・・・そんなにしたかったら・・・俺が、してやるよ!!!」

「!!な、なに?・・・い・・・一護・・!やめっ・・・!!!」

ルキアの制止など聞きもせず、一護はルキアのブラウスを剥ぎ取り上半身を裸にし、
ルキアは剥き出しになった胸を両腕で覆い隠しながら、小刻みに震え驚愕の表情で一護を仰ぎ見ていた。

「一護?・・・本当に、どうしたのだ?」

「別に?どうもしてねぇよ。ただお前の帰りが遅くて、心配してたんだ。」

「心配・・・?」

「なぁ。なにもしてねぇんだよな?・・・だったら、俺に身体、調べさせろよ。」

「え?・・・あっ!・・・やぁ・・・!!」

一護は胸を覆っているルキアの両腕を掴み広げると、ベットの上に押し付け、
そのまま強く胸に吸い付き、舌先で激しく先端を嬲りはじめた。

突然の行為の激しさに、舐められたそこから強引に快楽を植えつけられ、
それを拒むようにルキアはなんとか一護の舌から逃げ出そうと身体を捩るが、
乗り上げられた一護の身体で完全に動きを封じられ、儚い抵抗は嗜虐心を煽るだけでしかない。

やがて十分に乳首を玩んだ一護は顔をあげ、
羞恥と恐怖と快楽に頬を蒸気させ涙を流しているルキアに向かい、ひどく意地悪く囁きかけた。

「これだけで、もう限界って顔してんなぁ。ずいぶん敏感なんじゃねぇの?・・・やっぱ、一回してきたのかもなぁ?」

「!!き、貴様・・・!まだそのような事を・・・!!私を莫迦にするにも、程があるぞ!」

「誤解だって言うなら、ちゃんと調べさせろよ。・・・俺が、好きなようにな。」

「なに・・・?あっ!・・・や・・・!やめ・・ろ・・・!!」

一護の手は短い制服のスカートをたくしあげると、穿いている下着の両脇から人差し指と中指を差し入れ、
そのまま上に引っ張れば、すべすべの恥部がきつく喰い込み、そこが強調されるように盛り上がる。
ルキアは反射的に一護の手を抑えて、これを止めさせようとした。
この制止に、一護の眉間に不機嫌な皺が寄った。

「・・・手ぇ放せ。これじゃ、調べられねぇよ。」

「やだ・・!一護!!こんなの・・・やっ!!・・・・あっ!・・あぅっ・・・!!!」

「・・・なんだよ。やっぱり、調べられると困んのか?」

「やっ!・・・き、貴様・・!ひぃんっ・・・あっ!・・ま、まだ・・言うか・・・・!!」

動きを抑えようとするルキアの両手を片手で拘束し、一護は掴んだ下着を更に中心に寄せ小刻みに上下させ、
敏感なそこに震動を与えれば、その震動に連動したルキアの小さな呻きが漏れる。
しかしルキアもされるがままになるのを許さず、身を捩り拘束から逃れようと必死になっていた。
暴れるルキアに一護は軽く舌打ちし、掴んだ手首を引っ張り低い声で凄んでみせる。

「だったら大人しく、俺の好きにさせろ。・・・じゃねぇと、この腕、縛るしかねぇぞ。」

「!!・・・一護・・お前・・・」

「大人しくしてりゃ、すぐ、終わらせてやる。」

「・・・」

ルキアは不安に眉をひそめたまま、それでも拘束されることへの恐怖心もあり、
今は一護の言葉を信じるしか道はなく、緊張に強張っていた震える全身から術なく力を抜くしかなかった。

 

 

 

 

 

 

「んくっ・・・ふっ・・んっ・・・んんっ・・・!ふぁっ・・・くぅっん!!・・・ふっ・・・あっ、あっ・・・」

ルキアは自分の指を噛み、大声で喘ぎだしたい衝動を必死になって抑えていた。

ぺちゃ・・・ぬちゅ・・・ちゅぅっ・・・ちゅっ・・

なぜ一護は怒っている?
内緒で私が、なにをしたと思っている?
手加減をしていたとはいえ、乱暴に髪を掴まれるなど、普段の一護からは想像も出来ない行為。

一護なのに。
間違いなく一護なのに。
やはり、知らない男のように感じる恐怖から逃れようと、ルキアは強引に与えられる快楽に溺れた。

ルキアは下着で散々そこを食い込み擦られ、指でも押されひどく敏感にされた挙句、
下着も脱がされた状態で足を大きく開けた格好に固定されて、その間に一護が顔を埋めると、
やけに熱心に秘部を舐めたり吸ったりしている。
時折指も挿しいれ、深く浅く強く弱く動かせては、
それによって違う声をあげるルキアの反応を、一護は楽しげに見守った。

「もう・・・!いち・・・一護ぉ・・・許して・・・許してくれ・・・!これ以上されたら・・・もう・・・もっ・・・!!」

執拗に長い前戯に、これ以上されたら自我を保っていられる自信がない。
ルキアはビクビクと感じ震えて、過敏になった身体を持て余し、泣きながら一護へと解放を懇願した。

すると一護も顔をあげ、ニヤリと笑う。

「そうだな。ここからはお前の匂いしかしないみたいだし、もういいだろう。・・・そろそろ、次を調べるか?」

「!!ま・・・まだ、何かするのか?」

「なんだよ?これで、終わるわけねぇだろ?ここからが・・・本番だ。」

一護はガチャガチャとベルトを鳴らし、すぐに熱く猛った分身を取り出す。
何度も見ているはずなのに、今日のそれはいつもより激しく脈打ち、
凶暴にそそり立っているようで、ルキアは恐れに僅かに後ずさる。

「どうしたルキア?いつもみたいに・・・したく、ないのかよ?」

「そ、そうでは・・ないが・・・」

確かに身体の奥が切なく疼き、その疼きを収めてくれるのは、一護のそれしかないのだが、
普段と違う一護の様子に言葉には言い表せぬ不安がつきまとうが、ルキアは口を噤むしかない。
しかしその曖昧な態度が一護の気にさわり、先ほどまで楽しげだった表情は一変し、またしても暗い光が瞳に満ちた。

「・・・俺と、したくは、ないのか?」

「一護・・・?何を、言って・・」

「・・・だめだ。」

今まで聞いたことのない、地の底から響いてくるような、低く冷たい呻くような声。

その声を耳にしたルキアの背筋にぞくりと悪寒がはしり、
防衛本能に身体は一護から距離をとろうと後ずさってしまうが、
しかしその行動は逆効果で、一護の神経を逆なでした。


ルキア。お前、俺から離れたいのかよ?

そんなこと・・・許せるわけねぇだろう!?


胸の中で、盃を満たした、水が、揺れる。

満たされた黒い感情の澱んだ水が、嵐の海のように逆巻き溢れ暴れ狂う。
その感情に翻弄される一護は、狂気的な執着で、ルキアを求めた。

「お前は、誰にも渡さない。お前は・・・俺のものだ!!!」

「!!・・・あっ・・・やっ・・・うあぁぁぁっ・・・!!!」

獣の咆哮のような叫びが一護の喉からあがり、
同時にルキアの足を開け広げ逃げられぬよう、一気に凶暴な杭を蜜の溢れるそこに穿った。

突然の突き上げに、そこから熱い火花が散ったような感覚にルキアは息をのみ、それから悲鳴のような嬌声をあげる。
いくら気持ちの上では怯えていても、長時間愛撫された身体は待ち望んだ突き上げにすぐに順応していく。
いつもと違う乱暴で激しい律動に胸まで衝撃があがり、何度か息することも圧迫される。
しかし繋がったそこからは、ぬちゅぬちゅとおびただしい量の愛液が濡らし、いやらしくぬめる水音が溢れている。

恐れと怯えに震えていたはずなのに、ルキアのそこからは悦楽の蜜が飛沫をあげるまでに溢れており、
淫靡な身体のルキアを、一護は喉の奥で笑いながら感慨深げに見下ろした。

「・・・すっげぇ、濡れてるぞ?そんなに、いいのか?」

「・・・うぁっ・・・ひぅっ・・・!やっ・・!あっ・・あっ・・・あぅっ・・・!!!」

「エロ汁でめちゃくちゃ滑るのに、中すげー締まってる。さすがルキア。名器ってやつ?」

「やぁっ!・・・そ、そんな事・・・言わないで・・くれ・・・!」

少し前まで一護の言葉や態度に怯えた顔をしていたルキアは、そこを突かれる悦びに今はもう甘く乱れた表情で浸りきっている。
一護は嘲るような笑みを浮かべ、だらしなく開かれたままのルキアの唇をも乱暴に吸いあげる。
そのまま胸も揉みあげれば、三箇所同時攻めにルキアは塞がれた口の奥で、一際高く啼き声をあげた。
下だけでなく唇もぬめぬめと犯される相乗効果に、ルキアは余計に興奮を覚えひどく淫らな顔をした。
一護が唇を離すとそこから二人の間に銀糸が渡り、一護は愉快そうに腰の動きを強く揺らす。

「こんな乱暴にされて感じるなんて、やっぱりお前、やらしーなぁ。」

「ひぃあっ!!・・・やっ!・・・そん・・・な!・・いち・・ご・・あっ!あっ!」

そこを擦ることによって得られる悦楽に、一護もルキアも夢中になって行為に没頭していた。
一護の動きに合わせてルキアは蕩けた表情で強く弱く啼き声をあげ、
それは一護の嗜虐心を堪らなく満足させるものであった。

もっと啼け。
ルキア。
俺で感じて、啼き続けろ。
俺だけ、感じていればいい−−−

しかし一護は突然激しい律動を止め、ルキアの中を押し付けるように深く挿入したまま、腰を円を描くように動かした。

「お前がさ・・・そんな、やらしいから・・・俺・・毎日・・・不安で・・しょうがねぇ・・・」

「やぁっ!・・・う・・そ・・・そんな・・・あっ!・・・やぁっ・・ひっ!・・」

ルキアの中の最奥に亀頭が当たり、そこをグリグリと刺激されるもどかしくも変に昂る奇妙な感覚に、ルキアは細い悲鳴をあげた。
全身をぴくぴくと震わせ快楽に放心したような顔をしてるルキアに覆い被さり、一護はルキアの首筋を舐めた。

「・・・今日、放課後・・・お前、呼び出されてたろう?」

「!!・・・んんっ・・くぅっ・・・ふぁっ・・・」

一護はそんなところも犯しつくさねば気が済まず、更に耳の内へも舌を滑らせ、責めるように耳朶を甘く噛む。
その間も腰は押し付けられており、焦らされる感覚にルキアの息は荒く弾み、もっと強い刺激を求めた腰が悩ましげに動いてしまう。

「俺の事、帰してから・・・会いに・・・行ったんだろ?・・・なに、してたんだよ?」

「な、なにもない!!・・そん・・・そんな・・・あんっ!あっ・・・なにも・・・!!」

「・・・・本当か?」

「ほ・・・本当・・・ひぃあっ!!やぁっ・・・あっ・・・本当に・・なに・・も・・・ない・・・ふっ!あぁん!!」

一護は身体を起こすと、完全に力の抜けたルキアの身体を無理矢理抱き起こし、
自分の膝の上に乗せるとゆるく腰を動かし、またも唇を濃密に合わせた。
舌同士を擦らせれば、更なる悦楽が生まれそこでもルキアは夢中になって自ら一護の舌に絡めた。

「浦原さんとは・・・して・・・ねぇよなぁ?」

「す、するわけ・・・あっあっ・・んんっ・・・!するわけ・・ない・・!
い・・一護以外に・・・んっ!・・・だ、誰とも・・・し・・・ない・・・!」

十分に舌を玩び唇を離すと、物欲しげな顔をした女の表情のルキアと目が合った。
自分の奥を深く貫く感覚に酔いしれながら、ルキアは頬を涙で濡らし、熱く一護へと訴えかける。
この回答にやっと満足したのか、一護はルキアに自分の首を抱かせるようにさせ、
ルキアの腰を掴むとすぐに激しく深い律動を開始した。

「絶対・・・だな?」

「うぁっ!くひぃっ・・・!!絶っ・・・対だ!・・・あぁっ!・・・やぁ・・あっ・・・」

「これからも・・・ずっと・・だぞ?」

「こ・・・これからも・・・ずっと・・・あんっ!はっ!・・・あぁんっ!んっ・・・!!」

一護の激しい動きに合わせ自然とルキアの腰も動き、より深くえぐられる感覚に、
結合部は濡れすぎるまでに濡れたヌプヌプという音と、二人の身体が激しくぶつかりあうパンパン音が混ざり合った、
パチュパチュという音が異様なまでに大きく響く。
ルキアは既に限界を感じ、最後の高みを目指し、自らの意思で腰の動きを激しくする。


ルキアは完全に理性が吹き飛んでいる状態だったが、一護はやけに冷静でしかし熱っぽくルキアの耳元に囁いた。

「お前のこと・・誰かに取られるくらいなら・・・俺の手で・・・ぶっ壊して・・・やりてぇよ・・・」

「いち・・・一護!・・・激し・・・やっ!だめ・・・!!だめ・・・・」

「覚えておけ、ルキア。逃げても、無駄だ。絶対に・・・捕まえてやるからな。
・・・お前に近寄る奴は・・・誰でも・・・皆、ぶっ殺してやる・・・!!」

「だめ!一護・・・!!くる・・・!あっ!あっ!くる!くる!!きちゃうぅっ・・・!!」

熱い蜜が一護までも濡らすまでに溢れ、一護を包む蜜壷が限界を知らせるようにぎゅうぎゅうと締め付けてくる。
一護はルキアをベットの上に押し倒し、ルキアの絶頂に合わせ早く激しく小刻みに腰を動かす。

「離れるなよ!・・・ずっと・・ずっと・・・死んでも・・・俺の・・側にいろ・・・!!」

「あっ!あっ!あぁっ・・・・!!い・・・いち・・・!!!」

「お前は・・・永遠に・・・俺のもんなんだ・・・!!!」

「っくん!!・・・うっ・・・あっ!あぁっ・・・やぁっ・・・ひっ!・・・あっ!!!」

「―――――――ルキアッ!!!」

己のものである証に、ルキアの中に一護は全てを注ぎ込む。
熱い熱い白濁のそれは、一護の心を宿したように内からルキアを焼き焦げさせる。
激しい情交にルキアは早いリズムで息をし全身を痙攣させ、顔は涙と汗で、口元には唾液でも汚れさせ、
あそこから一護の白い液が溢れたままの状態で、ルキアは完全に意識を飛ばしていた。






一護は己の手で犯して乱し汚したルキアの姿を見下ろし、深い充足感に満たされたが、
ルキアを征服しつくしたことで、少しだけ冷静になった心に、理性の声が帰ってきた。

こんなこと、ルキアにするべきではなかったのに。

「・・・でも、どうしようも・・・なかった。」

ルキアはきっと、傷ついた。

「・・・俺だって・・・傷ついたんだ。」

―ルキアはなにも、悪くないのに。

「・・・そう。・・・ルキアは・・・悪くない。」

でも、と一護は思う。

俺をここまでに狂わせた、ルキアは本当に悪くないのか?
こんな俺じゃない俺を生み出したのは、間違いなくルキアなのに。


一護は許しを請うように、眠るルキアに優しく口付け、震える声で謝罪した。

「ごめんな。ルキア・・・」


でも俺にこの小さな盃を渡したのはお前なんだ。

この盃は、すぐに溢れてしまう。
ひどく小さな盃なのだから。

だから、安心させてくれ。
俺の前から突然消えたりしないと、誓ってくれ。

俺達は人と死神。
見た目はこんなに似ていても、別の生き物。
しかもお前は、俺なんかよりずっと長生きで、俺はすぐに年老い朽ちていく。
そんな俺の傍に、お前はいつまで居てくれるのだろうか。

恐いんだ。
お前を失うことが、なによりも恐い。
そのことが恐くて、俺を臆病にさせ、狂った執着心を高めてしまう。

この狂気のような恐怖と嫉妬と焦燥を、沈めるのは・・・お前だけ。



激しい劣情の過ぎ去った身体は異常に重くて気だるく、一護はやけにゆっくりとした動作で、
己の手で汚しつくした愛しきものの身体を丁寧に拭き清めていく。
やがて汚れを取り去ったルキアを、布団の中に横たえ、
自分はベットの傍らに座り込み、眠るルキアを見つめていた。


月明かりに照らされ安らかに眠るルキアの様子を、見守る一護の瞳にふいに涙が溢れ出す。
一護は震える声音で、小さな声で囁いた。


「・・・・愛して・・いるんだ。」


一護はルキアの手を握り、その手にも口付け、
許しを請うように眠るルキアの傍で頭を垂れて、背を震わせ静かに涙を流した。



その涙は盃を満たした、汚らわしい水なのか。

ルキアを思う、純粋な心の雫なのか。





それは、誰にも、一護自身でさえ、


わかりは・・・しない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏 top

いいわけ
 この作品のテーマは『執着・偏愛・一護編』です。
 一護がルキアを好き好き過ぎて、ありもしない浮気?に怒り、犯しモードでルキアを陵辱。
 このテーマ。うちでの担当はギンなので、一護にしたらどうかしら?と、結構本気モードの陵辱編にしてみました。
 去年から書きたい書きたいと思っていたので、内容はともかく、その点はすごく満足しております!(力っ!)
 しかし、私の書く普段の一護ヘタれっぷりはどこへやら。白崎みたいにしましたが、白崎ではないです。一護なんですよ!?
 でも、自分で好き勝手しておいて最後に泣いちゃう辺り、やはり一護のヘタれ片鱗残したつもりなんですが。・・・皆様如何でしょうw
 タイトルが他に比べてなんだか凝ってる感じになりましたが、深い意味なく、ただの思いつきですw(でも結構お気に入り♪)
 嫉妬に対する私のキーワード。『器が小さい』それは読んで字の如し。全て受け入れる事が出来ない事を強調し、タイトルにしてみました。
 それにしても1月最後の作品が陵辱なんて・・・私らしすぎ、笑えてきますwこんな感じで、今年も妄想頑張りますよー☆(え)
 2009.1.31

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