恋をして、楽しいだけなのは最初だけ。
片思いの時は、あいつの気持ちが知りたくて、
他に好きな奴がいるのかもしれないと思うと、それだけで苦しくて。
手放しで嬉しかったのは、あいつと両思いだってわかって、付き合おうってことになったあの時だけ。
その後・・・つまり現在。
嬉しいより、我慢しなきゃいけないことが多すぎる。
例えば今だって。
あぁ、ほら、まただ。
視線の先にいる光景に頭痛がする。
『 恋 の 病 』
ルキアは学校に入り込んでいる、死神達と談笑していた。
隣りには大柄な幼馴染。
自然に、本当にいやらしげな感じなんて一片もなくて、自然な感じでルキアの肩に腕を回し、
ルキアもそれを邪魔にせず、そのままの状態でずっと笑っている。
頭が痛くて、胸が苦しくて、苛々して、腹が立って、おまけに黒く汚い感情が湧き出てどうしようもない。
『触るな』
『近づくな』
ささやかなことかもしれない。けど、我慢なんて出来ない。
自分がこんなに度量の小さい人間だったのかと思い知らされ、とことん落ち込む。
こんなのが、恋なのか?
こんな思いをするのが、恋なのかよ。
ルキアが初恋の俺に、恋愛の規則なんて知りもしない。
ただひとつだけ、わかったことがある。
こんな思いをし続けても、ルキアとは、一緒にいたい。
その覚悟が、恋、なんだろう?
・・・たぶん、そーゆーことじゃ、ねぇのかな。
水色には『殺傷能力がありそう』な、すごい目つきで見ていたと言われながら、
なんとかその場は暴れも何も言い出さずに家に帰ることが出来た。
でも、部屋に戻ってルキアと二人きりになった途端、我慢しきれず俺の口から尖った声が吐き出された。
「ルキア!てめっ・・・いい加減にしろよ!!」
「・・・なんだ突然。わたしが、なにかしたか?」
「だから!!少しは俺に、気遣えってことだよ!!!」
「気遣え・・・とは、なんのことだ?」
「〜〜〜本っ当に鈍い奴だな!わっかんねぇのかよ!?」
「なんだ貴様!先程から回りくどく、訳のわからぬことをグダグダと!言いたい事は、はっきりせんか!!」
「・・・っ!!だ、だか・・ら!」
「だから!なんだ!!」
改めて言えと言われ、思わず俺は口篭る。
『他の男と、いちゃついてんじゃねぇよ。』
こんな情けない科白、とてもじゃないけどルキアに言える訳がない。
こんな事言って嫌われるんじゃねぇかとか、本気で呆れられるんじゃねぇかとか。
愛想をつかされ別れるとか言われたら・・・あぁダメだ。とことんダメな科白に思考回路。
だから、言いたい事は何も言わず、行動で示す。
俺は目の前で瞳を怒らし、睨んでいる恋人の頬を両手で包みこむと突然口付けた。
「!!!んんっ!?・・・うむっ・・・!んっ!んっ!・・・ふぁっ・・・!」
ルキアのしている息をも飲み込む勢いで交わす、激しいキス。
ルキアは眉を寄せ大きな瞳を硬く閉じ、俺の与える衝撃に耐えている。
でもまだ俺の全てを受け入れる訳でなく、両手で俺の身体に突っ張り自分から引き離そうとしていた。
俺はその行為が気に入らず、俺の舌は余計に暴れまわる。
こんな一方的で身勝手なキス。
余計嫌われる気がして、余計に焦り、余計舌を動き回らせてしまう。
ルキアの舌を舐め、絡ませ、吸い上げ、とにかくルキアの腕から意志が落ちるまで、拷問のようにキスをし続けた。
やがて根負けしたルキアの全身から力が抜けたのを感じ、俺はやっと顔をあげた。
ルキアは息も絶え絶えに、潤んだ瞳に赤い顔していながらも、まだ怒りを含んだ声音で言った。
「・・・きさ・・・貴様・・・!何の・・・真似だ・・・!!」
「何の真似って、わかんねぇのか?」
「わからんから・・・聞いて・・・いる!」
「・・・キス、だろう?」
「こんな・・・無理矢理にか?」
「・・・嫌だったのかよ。」
「当然だ!!」
あぁなんか、もうダメだ。
俺はどんどんダメになって、お前に嫌われていくだけなんて。
大体お前が悪いのに。
俺の目の前で(影ではなおタチが悪いが)他の男と寄り添ったりする、お前が絶対に悪いのに。
なのに、そんなのを気にしてしまう俺の方が全然悪くて、ダメみたいだ。
俺の中はもう色んな感情が渦巻いて、爆発しそうになる。
だから、俺が壊れてしまう前に、お前を抱き締めた。
その、小さくて細すぎるまでに細い華奢で壊れ物みたいな身体を、
出来る限りの愛しさが伝わるように、強く。でも、優しく、抱き締めた。
「・・・一護。本当に、どうか・・したのか?」
俺の腕の中でルキアが心配そうにそう言った。
もしかして、俺の気持ちが、少しは通じてくれたのかもしれない。
安堵に少し深い溜息を吐き出す。
胸が苦しい。
ルキアが好きで、好き過ぎて苦しい。
その思いは純粋だ。
それなのに、身体は俗物的な反応を示してしまう。
「・・・悪い。俺、やばい。」
「やばい?」
「すっげぇ、してぇ。」
「・・・なに?・・・あ!い、一護!!なにを・・・!」
「少し、声、我慢しろよ。下にいるあいつらに、聞こえちまうから。」
考えすぎてどこかショートしちまったみたいな頭は、もう考えるのを止め、
本能のままにルキアをベットの上に押し倒し手を動かせば、制服の下でブラジャーを外し、直にルキアの胸を掴んでいた。
正直に言えば少々物足りない小さな膨らみ。
でも、ルキアの胸ということと、ここを玩ぶことでエロく乱れていくルキアの表情。
そしてひどく柔らかな感触に、敏感過ぎるまでに感じる最高の感度の良さに、俺はつい夢中になってしまう。
両手を服の中に突っ込み撫で回せば、胸の中心が硬くなっていき、
それを摘みしごけば、ルキアの口から普段では想像もできない甘い呻きが恥ずかしげに溢れ出す。
「・・・お前の声、やらしいよな。」
「んんっ!た、たわけ!!いきなり・・こ・・んな・・・ひっ!・・・あっ!やっ・・・!」
「胸いじられるの好きなくせに、お前も相当な意地っ張りだ。・・・ほら、わかるだろ?ここ、すっげー尖ってる。」
「う・・るさい・・・!!やぁっ・・・!くぅっ・・・んっ・・・!!」
すぐに指先でいじるだけでは物足りなくなり、急くようにブラウスのボタンを外し、
その白く小さな膨らみを眼前に晒せば、ピンク色の蕾がピンと誘うように尖っている。
俺は誘われるままその頂を口に含めば、ルキアは一層切ない声で啼く。
その声に合わせるように俺の舌や歯や唇や指先を使い、なにか音楽を奏でるようにルキアの身体を弾き鳴らすだけ。
次第に俺の舌先は頂から離れ首や鎖骨、胸や下腹部と自由に動き回り、
最後にルキアの匂いが一層強く香る蜜の溢れるかの場所へと行き着いた。
「・・・やっぱり、もう濡れてんぞ?でっけーシミ、できてるし。」
「やぁ・・!み、見るなぁ・・!!やだっ・・・!一護・・・!!!」
身体中愛撫され、敏感に震える力ない抵抗などないに等しく、容易くルキアの下着を剥ぎ取った。
茂みのないすべすべのそこからは透明は蜜が溢れ、華奢な身体に似合わずむっちりとした肉付きで、それが一層いやらしく見える。
もっとよく見えるようにルキアの膝を掴んで広げれば、蜜にぬめった濃いピンク色の肉襞が広がり物欲しげにヒクついている。
いつものようにそこにも口付け、熱いルキアのいやらしい蜜を直に吸い込む。
「!!ひぃあっ・・・!!んんっ・・・ふっ・・・くぅっ!!・・んっんっ・・んむぅっ!!」
そこから得られる強すぎる快楽に、ルキアは自分の指を噛み、両手で口を覆って叫ぶような嬌声を必死になって殺している。
俺から与えられる快楽に身を捩り感じてるルキアの姿に、俺の雄の本能は少しだけ満たされる。
俺だけだ。
ルキアをこんな風に乱すのも、求められるのも、俺だけなんだ。
一番過敏な蕾を口に含みそっと甘噛めば、ルキアの身体は冗談みたいにビクリと跳ね、もう限界だと顔を左右に激しくふった。
「・・・挿れるぞ?」
「・・・んっ・・・んんっ・・・」
口元は手で覆ったまま、熱に浮かされ涙に濡れた瞳で俺を見上げルキアはコクコクと頷いた。
ルキアは制服のブラウスを肌蹴させ、スカートの下は剥き出しの姿に今更ながら激しい欲情を感じ、
俺も服を脱ぐ間も惜しみ、ズボンを開けただけですぐにルキアの中に侵入した。
「ふぁっ・・・!うくっ・・・!!!んんんっ・・・・!!!」
「・・・・!!っく。・・・すげっ・・・相変わらず・・・すっげぇ・・締まる。」
俺の全部が納まると、ルキアは全身を震わせすすり泣くような声をあげた。
たまんねぇ。
まじでこいつって、エロくてやらし過ぎだ。
俺を包むルキアのそこは、熱くてぬるぬるしてるくせに、握ってるみたいに締め付けてくる。
それなのに動くと、これ以上の感度と悦楽が延々と得られるんだからたまったもんじゃない。
欲しくなる。
ルキア。
お前の全てが、欲しくて、欲しくて。
俺が俺じゃないみたいに、おかしくなったみたいに、お前のことしか、欲しくなくなるんだ。
十分な蜜の量に安心して最初から飛ばし気味に激しく腰を律動させても、
当然ルキアは痛みを訴えることもなく、指を噛んだまま快楽に耐えていた。
でも、このままじゃコイツの指傷つくな。
そう思うと俺は何も言わずにルキアの手を外し、代わりに自分の手でルキアの口を塞ぐ。
息がしにくくないよう隙間をつくり、唇に一番近い指を噛み易いよう添えてやれば、
ルキアはすぐにその意図を汲み震える歯で軽く噛んだ。
ぬちゅぬちゅとぬめった音と感触が繋がった場所から感じ、
そのいやらしさに触発され、俺の腰の動きはますます早くなっていく。
動きに合わせて俺の心も昂って、さっきまで言えなかった、素直な気持ちが勝手に口からこぼれてしまう。
「なぁルキア・・・?俺の事・・好きか?」
「・・・んふっ・・・んっ・・んっ・・・・!!」
「俺は・・・お前が好きだ。・・・お前しか・・欲しくない。」
「んんんっ!!・・・んくっ!・・・んんっ・・・んっ!・・」
「もう俺・・・わかんねぇよ。・・・なんで・・・こんなに・・・お前に・・・!!」
「ふはぁっ!!・・・うぁっ・・!やっ・・・あっ!んぐっ!!・・・くぅぅぅっ・・ん・・!!!」
全部、俺の全てをルキアの中に吐き出して、ルキアはそれを受け入れながら身体を仰け反らせ涙を流していた。
射精の瞬間思わず強く押さえつけてしまった手をすぐに外すと、ルキアは大きく口を開け、激しく息を弾ませ呼吸した。
その呼吸が整うのを待ち、俺はルキアに口付ける。
愛してるの、気持ちをこめて。
その後、食事と風呂を済ませた二人は、いつものように一護の部屋でベットの上で並んで座っている。
一護は決心していた。
言おう。
情けなくとも、格好悪くとも、こいつには言わなきゃわからない。
きっと同じ事を繰り返し、それを見るたび俺は気が狂いそうになるのなら、今言ったほうがいい。
そう覚悟を決め、一護は口を開いた。
「・・・あーゆーの、やめてくれよ。」
「あーゆーの?とは、なんのことだ?」
「・・・だから・・・あーゆー・・・恋次と・・・腕乗せて・・とか・・・」
「恋次・・・?・・・あぁ!あれか!!恋次の腕を、私が肩に乗せていたのが気にいらなかったのか!」
「・・・・そーだよ。・・・お前は、ち、ちいせぇって思うかもしんねーけどな!
あーゆーのって、気になるもんなんだよ!!」
「なにもそんな事は言っておらんではないか。・・・でも、そうか。そうだな。
私も配慮が足りなかったようだ。今後は気をつけよう。すまなかった。」
「お、おぉ。」
「・・・ならば、私も言っておくことがある。」
「?な、なんだよ?」
「あまり他の女子に優しくするな。・・・お前の親切は、勘違いされやすいのだからな!!」
「・・・?なんのことだ?」
「やはり!自分の事は気付いておらんのだな!?あれだ!今日の地理の時間だ!!!」
ルキアの迫力に押されながら、一護は地理の時間を思い出す。
今日の地理は大きな地図を使い、日直は井上だった。
もう一人の日直が休みで一人で運ぼうとしたのを手伝ってやったが、それがダメだったらしい。
自分では全然意識していなかったから覚えてもいなかったが、
二人並んで教室を出る姿を見たルキアの心情は一護にはよくわかる。
「・・・あ、あぁ。・・・あれ・・・か?そうか。そうだな。
俺じゃなくて、啓吾にでも手伝わせれば良かったな。・・・悪かった。もう、そんなことしねーから。」
「・・・わかれば、いいのだ。」
少しだけ顔を赤らめ、俯くルキア。
その様子が可愛らしく、一護は思わず口付け言った。
「・・・お前も結構、ヤキモチ焼きだな・・・?」
「!!た、たわけ!貴様の方が余程ではないか!!!」
すぐさまルキアの手が振りあがり、迷いなく一護の頭に振り落とされる。
妬くのは格好悪いと思っても、妬かれるのは、結構悪くない。
なんて言ったら、またきっと殴られてしまうだろうけど。
どんな思いも二人で分かつ。
一生治ることがない、恋の病。
いいわけ
新春お年玉企画第三弾。ちゃこさまよりリクエスト。『イチルキでヤキモチ一護の裏』
最初、ヤキモチ一護が、去年から書きたい書きたいと思っていたとんでもない陵辱ものになり、もうそれしか思いつけず、
そんな感じで書いていましたが、完成したものを読み直し、これはリクエスト作品ではなく、
自分の書きたいものを書いているだけだと気付き、急遽新しく書き直したものです。
実はこれ・・・本日、たぶん五時間以内くらいで書いたもの。内容はエロ中心な感じで!(重要)
ヤキモチ設定大好きで、初期に妬いた一護の作品を似たような感じで2つ書いたので、今回は少し表現方法を変えてみました。
一応一護目線な感じ。思いつきだった割には、自分ではうまくいった・・・かなぁと。(自己満)
ちゃこさまへは途中、変な連絡事項をしたくせに、全然別物にしてしまい、誠に申し訳ありませんでした〜(土下座)
こんな作品ではありますが、謹んでちゃこさまへ捧げさせてください。リクエスト頂きありがとうございました〜☆
2009.1.17
material by Sweety