もう何度目か、わからない。
息を乱し、幾度も幾度も、二人は熱い口付けを交わし続ける。
「ルキアちゃん・・・もっと、口開けて・・な?」
「ふぁっ!あっ・・・あっ・・!」
ギンの呼びかけに応じてルキアは恥ずかしげに口を開けば、ギンは舌を挿しいれ、そこからぴちゃぴちゃといやらしい音が響く。
ルキアはソファに沈みながら、自分の上にのしかかるギンの様子を、薄目を開けてぼんやりと眺めた。
ギンのこんな顔は、見たことがない。
ひどく切なげで、熱をはらんだ眼差しに、視線だけで焦がされてしまいそうだ。
もうとっくにカウントを止めた何度目かのキスの合間に、大きな右手がルキアの左胸を柔らかく包むと、
ルキアは動揺にビクリと反応し、慌てたように身を引いた。
『 バレンタイン事変 完全完結編 』
「ま・・・待ってくれ!ギン!!」
「・・・もう待てん、言うたやろ?」
さすがのギンもこれには不服げにルキアへと詰め寄るが、
ルキアは両腕で胸を覆い隠しながら、赤い顔でギンから顔を逸らしたままぼそぼそと呟く。
「そ、そうではない。こ、ここで・・これ以上は・・・その・・・・・。
そ、それに・・・あの・・・汗をかいてしまったし・・・だから・・・シャワーを・・・・・」
緊張からか、微かに身体を震わせ言い訳ををするルキアの様子に、ギンは溜息をつき困ったような笑みを浮かべた。
「それやったら、隣いこか。でも、ごめんな?シャワーは無理や。そない長い時間、僕もう待てんから・・・」
そう言うとギンは軽々とルキアを抱き上げ、すぐに隣りの寝室に運び込むと、
ルキアの身体をベットに上にゆっくりと横たえ、暖房をつけようとリモコンを手に取りエアコンを起動させる。
寝室はカーテンが引かれたままで、少しだけ濃い闇が部屋いっぱいに広がっていた。
しかしその夕闇は薄明るく、近づけば不安げに揺れるルキアの瞳が瞬いたのが確認出来る。
「・・・あ!ギン・・・」
「もう・・・逃がさんよ・・・・・」
何事か言い出そうとしたルキアの口をギンはまた唇で塞ぎ、内なる熱を高める口付けを行いながら、
今度は迷いなくルキアのシャツのボタンを外していく。
露わになっていく素肌にまだ暖まらぬ外気が触れ、その冷ややかさにゾクリとしながらも、
自分が望んだはずだとはいえ、言い知れぬ恥ずかしさと不安に、ルキアの身体はまた自然と震えだす。
それに気付いたギンは顔をあげ、少しだけ悲しげに、しかし愛おしむようにルキアを見つめた。
「・・・怖いん?」
「!!そ・・・そうでは・・・ない・・・・!」
なんとか強気にギンを睨むが、ルキアの顔は泣きだしそうに歪んでいる。
ギンはふっと笑うと、安心させるようにルキアの頭を慈しむように優しく撫でると、わざとくだけた口調でルキアの緊張を解そうとする。
「怖ない。怖ない。・・・・・僕がルキアちゃん怖がらすこと、する訳ないやん?
最初はちょぉ痛いし恥ずかしいもんかもしれんが、何度もしとるうちにすぐ気持ち良ぅなるし、慣れるもんやから。」
「な、何度も・・・・・?」
からかうように笑うギンの言葉にルキアは動揺するが、
ギンはふざけた表情を一瞬で消し去り、また切なげな眼差しでルキアを熱く見つめて囁く。
「ルキアちゃんが嫌がること、絶対せんよ。・・・せやから僕の事信じて、全部、まかせてくれる?」
「・・・ギン。・・・んっ・・・」
小さく頷いたルキアの唇に軽くキスをすると、そのまま頬、瞼、おでこにまで、ギンは全てにキスを降らせ、そのまま首筋に移動していく。
「・・・んっ!・・・ふっ・・!!・・・・・やぁっ・・・ん!」
首筋から胸元にギンの唇が滑り、時折舌で舐められれば、ルキアは堪らず恥ずかしそうに小さな喘ぎ声を漏らしてしまう。
すでに全部外したブラウスの中には、薄いピンクのレースに縁取られたブラジャーが覗き、ルキアの胸の膨らみを覆い隠している。
ギンは慣れた手つきで片手をそっとルキアの背中に差し入れ、素早くホックを器用に外せば、張っていた線はすぐにもたゆんだ。
「!・・・あっ・・・・!!」
そう察した途端、ルキアの口から心もとない叫びがあがるが、既にギンの手は止まらず、
ブラを押し上げ、ルキアのささやかな胸は簡単に眼下のもとに晒された。
手のひらの動き全て敏感に反応を示すルキアの様子に、ギンは秘かに満足し、
反応をみながら少しずつ大胆にルキアの身体を曝け出していく。
女の胸を暴くなど、ギンにとっては造作もないこと。
なのにこの瞬間にたどり着くのに、信じられない程の長い時間をかけてきた。
そんな深い感慨と感動が、知らず熱いため息になってギンの口から自然と漏れた。
「・・・・・綺麗やね。」
「!!・・・・や・・・はず・・・かしぃ・・・」
羞恥に晒された胸を覆い隠したい衝動をなんとか耐え、ルキアは唇を噛み顔を逸らしている。
薄い胸はまだ発展途上の少女の膨らみを思わすが、大人の女性でありながらの、
その未完成さのミスマッチさが逆に淫靡な感覚を激しく刺激して堪らない。
まだ夕方の薄闇の中、浮かぶ肌の白さは白雪としか例えようがない程に白く、
その輝く雪の中に小さな桜が控えめに、二つの蕾を僅かながら固くしているようだ。
ギンの唇はその蕾に口付けると、すぐ口中に優しく含む。
「ふぅっ・・・くぅ・・・んんんっ・・・!!」
初めての行為にルキアはビクッと背中を反らして反応し、きつく唇を噛み締め、なんとか甘い喘ぎを抑えようとした。
ギンは薄く目を開き、痛みを与えず快楽だけを産むよう気遣いながら、とても丁寧に舌を動かせ蕾を転がしている。
舌先で遊ばれ、次第に固くなっていく蕾。
舌からの攻めを逃れた蕾は、ギンの指先で同じように転がされやわやわと撫でる様に揉みしだかれれば、
ルキアは高まる熱からは逃れられずに、全てを絡め取られていくだけだ。
「はぁっ・・・!やぁ・・・!あっ!あぁ・・・!!んんっ・・・んっ・・・やっ・・・!!」
ルキアはなんとか声を抑えようと努力しながら、胸への抗うことのできない強い刺激に、高い嬌声をあげ続ける。
既に両胸の蕾は完全に固く尖り、下半身には今まで感じたことのない、渦巻くような疼きの熱が溜まり、
その疼きの証明である熱い蜜が、どろりと身体の奥から湧き上がり溢れてくるのをハッキリと感じた。
胸だけでこんなにも蒸気してしまったルキアを眺め、ギンは心中でルキアは胸は間違いなく性感帯だと認識する。
ルキアの胸への反応は過剰なまでに感じるが、初めての彼女が睦みごとの上での『演技』など知るはずもない。
まだキスと胸だけなのに、もうルキアのそこは充分に潤み、いつでもギンを迎い入れてくれそうではあったが、
ギンは最後の我慢とばかりに逸る気持ちをなんとか抑え、きめ細かな手触りの柔肌をゆっくりと撫でまわし、
ルキアの心も身体も全ての緊張と恐怖心を取り除こうと愛撫を続けた。
充分にいじり尽くした胸の蕾から顔を上げれば、ルキアは大きく息を乱し、
潤んだ大きな瞳をぼんやりとさせ、今度は快楽の余韻に身体が小さく震えている。
胸へのご奉仕はずいぶん気に入って頂けたようだ。
最後のターゲットは、最も敏感であり、最も警戒心を抱かせてしまうであろう危険地帯。
しかしギンの動きにためらいなどなく、スカートのホックも難なく外すと、
流れるような動作で簡単にスカートを取り除かれれば、ルキアは少しだけ正気を取り戻し、
瞳にはまた不安が色濃く影を落としてしまう。
「このままやったら、シャツが皺になってまうよ?脱いどこか?」
「・・・あ・・・あぁ・・・」
「そしたら僕も、脱いでしまうわ。日中かなり動き回っておったし、汗臭かったら、すまんなぁ。」
ためらいながらも頷いたルキアから、続いてギンはブラウスとブラを抜き取り、
とうとうルキアはショーツ一枚の姿にされてしまった。
ルキアは裸になった心細さに瞳は固く閉じたまま、胸の前で両手を握り締めて口元に押し付け硬直してしまう。
ギンは口端を持ち上げるだけの笑みを浮かべ、着ていたヘンリーネックのシャツやパンツを脱ぎ捨てると、
固く握り締められたルキアの拳に優しく口付けた。
「!!・・・あっ・・・・」
「怖ない・・・怖ない・・・」
呪文のように囁きながら、ギンはルキアの拳をゆっくりと解き開き、両手で掴み布団の上に軽く押し付けた。
そしてそのまま、もう一度深い深いキスをする。
先程より大分慣れた感じで、ルキアはギンの舌を受け入れ、口元からはぬめり絡み合う舌のぴちゅくちゅという音がしていた。
そうしてすぐにルキアの両手を拘束していたギンの手は離され、深い口付けをしたまま抱き締め、二人の身体はぴったりと密着する。
(あっ・・・・!・・・気持ち・・・いい・・・)
やはり日中汗をかいたのか、ギンの体臭が僅かに感じられ、それと同時に素肌で抱き合うことの気持ちよさと、
今まで感じたことのない圧倒的な安心感に、ルキアのピンと張っていた緊張の糸は自然と解きほぐされていく。
細い見た目より熱い胸板。
意外についている二の腕の筋肉。
ギンの全てが柔らかなルキアを大切に抱き締め、互いの体温に二人は心からの安心感に酔いしれた。
ギンはルキアを抱き締めたままキスを続ければ、ルキアはいつの間にかギンの頭を掻き抱き、
もっともっと深く密着するように、このままひとつになりたいとまで願いながら、強くギンの頭を抱き締めた。
激しい口付けをしながら、ルキアは思う。
まるで、獣だ。
互いを舐め合い、体温を欲して激しく求め抱き合う。
この姿は本能にのみ忠実な獣のようだ。
今は羞恥もなにもなく、素直に目の前の男を求めればいい。
ギンに触れられた全てが気持ち良く、そう感じる事が恥ずかしく思えていたが、そうではない。
それで、良かったのだ。
存分に与えられる快楽に酔い、身を委ねればいい。
そうすることで、愛しい人と身も心も繋がる。
この瞬間だけ、二人はひとつになれるのだから。
ここまできてやっと、ルキアは心から素直にギンを求め思うことができ、それは柔らかな微笑みとなりルキアの顔にゆっくり広がった。
その笑みに気付いたギンはキスを止め、少しだけ顔をあげ掠れた声で囁く。
「なに・・・?なに、笑うとるの?」
「・・・幸せだと、思ったのだ。」
「幸せ?」
「想う相手と、産まれたままの姿で求め合いながら抱き合える。それは、とても幸せで、特別なことであろう・・・?」
眩しげに瞳を細め、蕩けるような笑顔でルキアにそう囁かれれば、ギンは驚いたように僅かに目を見開き動きを止める。
しかしそれは一瞬で、ギンは困ったような笑みを浮かべて軽いため息をついた。
「あかんて・・・ルキアちゃん。今でも必死に抑えとんのに、そないな顔で、誘惑せんといて・・・」
「誘惑?・・・・・なんのことだ?」
ギンに言われた意味がわからず、ルキアは微かに首を傾げるが、ギンは構わず燃え上がる欲情のままに手をあの場所へと向かわせる。
「完全に、火ぃついたわ。・・・ちょっとだけ、我慢しとってな。」
「え?・・・なに?・・・あ!・・・やっ・・・!ギ、ギン・・・!!」
ギンの指先は最後に残ったショーツの中に滑り込み、熱い蜜の溢れる花びらのような襞をゆっくりと撫で上げる。
そこを探られる強い感度に、ルキアはビクリと身体を跳ねさせた。
「大丈夫や。怖いことない。・・・・・すぐ、気持ち良うなるから、少しだけ我慢してな・・・?」
「・・・んっ!・・・ふっ・・・くんっ・・・!!」
後はギンの指の動きに合わせて、ルキアの身体はびくびくと反応する。
襞を撫で、一番過敏な蕾を優しく摘めば、ルキアは一際高い声をあげて、ギンの身体にしがみつく。
その様子の可愛らしさに、ギンはまたも唇を合わせれば、ルキアも情熱的に舌を絡めあう。
ギンの長い指が蜜壷の奥を目指してそろりと差し入れられれば、堪らずルキアの腰は軽く持ち上げた。
未開の地を開拓する侵入者の動きは、僅かながらの痛みを伴う。
花を割る指先が動くたび、そこからぴりぴりと擦れる感覚が起こった。
ギンの指がそこに押し込まれるたび痛いようでいて、同時にたまらぬ疼きも増長される。
下を指でぐちゅぐちゅにかき回され、舌は舌で乱され、同時に胸や身体を撫で回されば、すでにルキアは限界を感じてしまう。
高すぎる感度にルキアが翻弄され意識すら飛ばしそうになって、やっとギンは顔をあげた。
「ごめんな、ルキアちゃん。僕、ここでエッチしたことないから、ゴムの準備しとらんかった。
せやけど、絶対中で出したりせんから、挿れてもええ・・・?」
ギンも熱く乱れた吐息混じりにルキアに囁き、既に意識朦朧としたような状態で、ルキアはこくりと一度頷くのが精一杯。
ギンは了承印代わりに軽く口付け、ルキアのショーツを取り去ると、そのまま足を開きルキアを求め猛る分身を濡れた花びらにあてがった。
熱い。
ルキアがその分身の熱の高さに驚く間もなく、すぐにも分身は奥地目指して突き進んでくる。
「うぁっ・・・!あぁ・・・!!いっ・・・・」
指とは比べ物にならない大きな圧力がそこにかかり、ぴたりと閉じていた柔肉を割り入って進んでくる。
その圧迫感が胸まで迫り呼吸も乱され、ルキアは苦しげに眉根を寄せると、初めての痛みと衝撃に必死になって耐えていた。
「・・・ルキアちゃん?大丈夫か?」
「だい・・・じょうぶだ。・・・・・心配・・いらぬ・・・」
まだ頭が入っただけだが、ルキアの様子に動きを止め、心配そうにギンは呼びかける。
無理もない。身体だけでなく、そこまでも小さく狭いルキアの蜜壷。
初めてがギンのものでは、そう簡単に受け入れられるとは思えない。
だがルキアは、大きく息を吐き出しながら呼吸を整え、気丈に続きを促がした。
だからギンも出来るだけそうっと体重をかければ、少しずつ少しずつ分身はルキアの中に沈んでいく。
そうしてやっと最後の関門に辿り着いたことを、すぐにギンは感じた。
これ以上の侵入を拒むように立ち塞がった、これがいわゆる処女膜であろう。
ギンは自分の下で痛みに耐え、涙を滲ませ薄っすらと汗を浮かべたルキアの様子を見守った。
これだけでもこんなに痛そうにしているのに、ここでやめようとはとても言い出せそうにはない。
ギンはルキアの頭を撫で、苦しげに喘ぐルキアに軽く口付けると、そのまましっかりと抱き締めた。
「そしたら、いくよ?ルキアちゃん。」
「・・・?あっ・・・ふぁっ・・・・ひっ・・い・・たぁぁぁいぃっ・・・・・!!!!!」
ギンの腰に力が入り、そのまま一気に膜を貫いた。
その瞬間、ぶちっという音がルキアの中に響き、熱く焼けつくような衝撃がそこに起きる。
突き破られた痛みにルキアは震えていたが、一方ギンも、苦しさに荒く息を乱していた。
「・・・っつ!・・・きっつ・・・」
ルキアの中は、狭くてきつい。
その上、最大限に気遣いながらの挿入は、思った以上に苦しくギンにかかる負担も大きい。
しかしこれでやっと、根元まで全てルキアの中に収まった。
これは感動的でさえあり、ギンはルキアを抱き締めたそのままの状態で、しばらく動きを止めた。
「ルキアちゃん。・・・ルキアちゃん?きみ、大丈夫なん?」
「・・・はっ・・・くっ!・・・平気・・・だ・・・!」
「・・・そしたら動くよ?痛かったら、言うてな?」
「う・・・む・・・・・・」
ルキアの許しを得て、ギンの腰はゆっくりと律動を開始する。
その動きはとても快楽を得るためのではなく、あくまでもルキアにこの行為を慣れてもらいたいが為の、テスト走行といった感じである。
ギンは深く口付けながら、今までしたことのない遅い速度で、気遣いながらもゆっくりゆっくり動き続けた。
これが心から欲した人との、愛あるセックス。
それは、今までとはとても比較する気もならないまでの、深く満ち足りた充足感。
ギンはこれと同じ行為を数え切れぬ程してきたはずなのに、他の女達との行いを、今では本当に思いだせぬほど遠い記憶の彼方に飛び去った。
身体以上に心が気持ちよく、ルキアを抱ける喜びに、ギンは静かに狂喜しおかしくなりそうだ。
すると段々動きに慣れてきたような、ルキアの表情が少しだけ変化しているのにギンは気がついた。
痛そうに眉をしかめているのは相変わらずだが、こぼれる吐息が艶めいたものになっている。
痛みの中でも僅かに潜む悦楽を、敏感に感じ取っているようだ。
これはギンを更に喜ばせ、すぐにも身体を起こすと、少しだけ早い動きでルキアの反応を見てみることにする。
「ひぃ・・・くっ!んっ・・・んっ・・・んんっ!・・・ふっ・・・あぁっ・・・!!」
ルキアは大きな瞳を涙で潤ませ、身体を揺さぶられながら、落ち着いた様子で甘い呻きをあげている。
それに二人を繋ぐそこからは、ずるずると大量の蜜が溢れ、絡みつくように分身を締め付けてくる。
間違いなくルキアが感じている様子に、ギンの背中にぞくぞくとした震えがはしった。
ルキアが動揺するかもしれないから、大きく体位を変えることは止め、
代わりにルキアの大きく開かせた両足を、自分の胸の前に揃えて添える。
「強すぎるようやったら、言うてな?」
「え?え?・・・・あっ!はぁっ・・・!んんっ・・・あっ!」
ギンの身体が少し前に倒され、そうされて当然ルキアの足も前に倒れると、そこはより深くルキアの奥をギンの分身がえぐるように刺激する。
まだまだ痛みはあるだろうが、もう大分遠慮なく動いても問題ないように、ルキアは女の表情で艶やかに乱れている。
こんな顔のルキアを見るのは初めてで、喜びにギンは無邪気に笑った。
「そんな顔も、するんやね?」
「・・・そんな、顔?」
「ルキアちゃんも知らん、僕だけのルキアちゃんのエロい顔や。」
「!・・そんなに、見るな・・・!!」
そうギンに指摘されれば、ルキアは恥じらいに頬染め、怒ったように顔を背ける。
しかしギンはそんな事では懲りもせず、長い舌先を目の前の首筋に滑らせ、それにルキアはびくりと震えた。
「いやや。僕だけの、ルキアちゃんの顔やもの。誰も知らん、僕だけの顔。誰にもやらんよ?覚悟しといてな。」
「あっ!やっ、やだっ・・・!ギン・・・」
「もっと乱れても、ええんよ?僕にだけ、いっぱい見せてな・・・」
「あっ!ひっ・・・!あっ!あっ!あっ・・・!!ギ・・ンっ・・・!!」
胸の前に揃えた足を再び広げると、ギンは最後の高みを目指して速度の増した律動を繰り返す。
ルキアのそこは蜜でしとどに濡れきっていながら、突き上げられる痛みと衝動に、必死になって耐えなければならない。
しかしそこからくるのは決して痛みだけでもなく、疼くように湧き上がる快楽の波も確かに感じながら、
ルキアはしっかりと自分を抱き締めてくれる、愛しい男にしがみ付いた。
「あぁっ!ギン!ギン!やっ・・・!あっ・・・!だめ!・・・やっ!はげしっ・・・!!」
「少し・・辛抱してや。僕、もう・・イキそうや・・・」
身体を起こしたギンは、細いルキアの腰を掴むと、最後を告げる短く早いリズムの動きで高みを目指す。
ルキアの小さな身体はその震動にガクガクと揺さぶられ、口からはしたないまでに甘い嬌声が絶え間なく溢れた。
やがてギンは分身をずるりと引き抜き、ルキアの腹に滾った男の欲望の証をぼたぼたとふり注ぐ。
ルキアの身体中ぴくぴくと痙攣し、放心したように口を開き、荒く息づきながら、
どこを見ているか焦点の定まらぬ視線をぼんやりと泳がせている。
まだ大分痛みを感じながらも、その痛みさえ越え感じた幸福感。
ギンの全てから愛情を注がれ、ルキアは何度も溺れてしまいそうになった。
いや、もう実は溺れてしまったのだろう。
今は突然深い水底から引き上げられた魚のように、ルキアはただ呼吸を荒く繰り返し、
高みに押し上げられた気持ちが静まるのを待つしかない。
その間にギンは慣れた様子で、ルキアの腹から自分の証を綺麗に拭き取るなど手早く事後処理を行うと、
それから隣に横になり、改めてルキアを抱き締めた。
まだ乱れた呼吸のルキアの頭を撫でながら、ギンは優しく囁く。
「大丈夫やった?どこか、身体しんどいとこ、あらへん?」
「・・・大丈夫だ。特に痛むところは・・・ない。」
本当はまだギンを受け入れた場所は、疼く痛みと共にまだそこになにかはさんでいるような残留感があったが、
そんな事は口に出来ず、ルキアは口の中で呟く。
ギンはつっとルキアの顔を持ち上げて、合わせるだけのキスをすると、にっこり微笑んだ。
「ありがとうな、ルキアちゃん。僕のこと受け入れてくれて。僕今、めちゃめちゃ幸せや。
ほんま、今まで感じたことないくらい、幸せやー思うてるよ。相手がルキアちゃんやからね。」
「・・・ギン。」
「戯言でならなんぼでも言うてたけど、こんなん心から思うたことも、言うたこともない。せやから、笑わんで聞いといてな・・・?」
「・・・?なにを・・・」
この申し出にルキアが不思議そうにギンを見上げれば、ギンは笑っていた表情が消し、
ひどく真摯な眼差しでルキアを見つめ、ひどく切なげな声で低く囁く。
「好きや。ルキアちゃん。ほんまに、愛しとる・・・」
「・・・・・!!」
思いがけない告白を受け、ルキアは驚愕したように瞳を開きながら瞬時に顔を赤くした。
しかしギンはすぐにいつもの笑みを戻し、嬉しそうにルキアを抱きしめる。
「ちゃんと言うてなかったんやないかな?せやから、今更かもしれんが言うておく。
僕、ルキアちゃんがめちゃめちゃ大好きなんよ。」
「わ・・・私も・・・ギンが・・・好き、だ。」
「せやったら僕ら、両思いやね!」
「・・・う、うむ。」
今更こんな事でまだ真っ赤な顔にし、恥ずかしそうにギンの胸に顔を埋めるルキアの様子が愛おしく、
ギンはくすくすと笑いながら、苦しくない程度に強くルキアを抱き締めた。
外は太陽が完全に沈み暗い夜が忍び寄るが、ここには春の陽だまりのような優しい暖かさに満ち溢れ、
初めて知るお互いの体温に安らぎを覚えた二人は、幸せなまどろみの中で静かに眠りに落ちていく。
こうして長い時間をかけてやっと、二人の心も身体もひとつに重なったのだった。
※バレンタイン事変完全完結編と、アンケート結果第一弾。第一位裏作品を兼ねております。『ギンルキラブラブ初エッチ』はいかがだったでしょうか?
最後までギンは優しく、ルキアは可愛くできたかどうか心配です。これにて一応「バレンタイン事変」は完全完結ですが・・・
実は、まだこの二人で構想があります!
今まで我慢に我慢を重ねたギン。それを許されてしまったなら、今までの我慢の反動に、ルキアが傍にいるだけでギンは我慢がきかなくなるのではないか?
今度は、エロ本並みに何をやってもエロエロな展開になる二人の日常が・・・始まってしまいそうwww
連載するならもうタイトルは決まってます!色々問題ありありだった、やっぱりあっぷる様のアルバムタイトル。もうこれしかないでしょう!
しかし、本当に書けるかどうかは、まだ未定でございます・・・・・でも、できれば・・・書いて・・・・・みたい!!!
2009.5.18
material by Sweety