異変に気付いた瞬間に視界が歪み、同時にぐらりと身体が傾ぎ、
座っていた椅子からまるでスローモーションのように自分の身体が滑り落ちていくのを、ルキアは感じていた。

貧血?おかしいな?
最近は倒れることもなくなったのに。
昨夜はよく寝たし、今朝もしっかり朝食を摂った。
それが、よりにもよって入学式で貧血なんて・・・・・

釈然としない思いで徐々に遠ざかる意識のなか、
視界の隅で自分に真っ直ぐに駆け寄ってくる真っ白な羽が羽ばたいたのを・・・・・


見たような、気が、した。






『 保健室 の 悪魔 』





・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・・・?


「・・・・で、・・・・・・す。」

「・・・・・・す。・・・・・・・わ。・・・たら。」


・・・・・・・・・・・誰、だろう?


誰か、知らない男の人達の・・・声が、する・・・・・・


次にルキアの意識が戻った時、消毒液の独特の匂いが染みこんだ布団から、
見知らぬ部屋の真っ白な天井を夢うつつに眺め、ベットを囲うカーテン越しから聞こえてくる声に耳を傾けていた。

式典の途中に倒れた事を思い出していたルキアは、ならばここは高校の保健室だろうと推測できた。

布団に寝ていては、真新しいセーラー服が皺になってしまう。
入学式に倒れるなんて、悪目立ちもいいところだ。
クラスメイトは私にどんな印象を持ったものか。

そんな取り止めのない思いにふけりながら、ただでさえ人付き合いの苦手な自分としては、今後の学校生活を左右するであろう友人作りに一歩出遅れてしまった焦燥に、ひっそりとルキアが落ち込んでいると、やがて男達の会話が止み、話していた一人は立ち去り、ガラガラと扉が閉められた後、カチリという小さな音とシャーっとカーテンが引かれる音が響く。


カチリ・・・とは、なんだ?

まさか、鍵のかかる音?

でも、具合が悪くて寝ている生徒がいるというのに、どうして鍵をかける必要があるのだろうか?


そんな事をぼんやりとルキアが疑問に感じていると、扉が閉められた音がした方から、こちらに向って歩いてくる足音が聞こえたが、よほど足が長いのかほんの数歩でルキアの寝ているベットへ辿り着き、周囲を遮っていたカーテンが勢いよく開けられた。


「なんや、起きとったん。」

「・・・・・・先程、目が、覚めました。」


ルキアは自分を見下ろす男をまじまじと見つめる。
男は割合若く、二十代後半くらいに見えた。
長身で痩せた体躯を白衣に包み、線の細い面長の顔で細い目の上に銀縁のメガネをかけている。
独特のイントネーションを発するその声は耳障りの良い音を響かせているにも関わらず、
なぜか胸の奥をざわりと騒がせる響きを伴っている事にルキアは内心とまどっていた。

しかし目の前の男は至極人好きする愛想のよい笑みを浮かべ、
布団から起き上がるルキアの傍らに立った。


「そら良かった。気分はどうや?」

「もう、大丈夫です・・・・・あの、ここは、学校の保健室・・・ですよね?」

「そうや。僕は校医の市丸ギンいうんよ。」

「私は朽木ルキアと申します。この度はご迷惑を、おかけしまして・・・」

「ルキアちゃん。ええお名前やね。
入学式中に急に倒れてしもうてね。覚えとる?

あかんよ。朝食はちゃーんと食べな。」

「覚えています。それに、朝食は毎朝きちんと摂っているのですが。」

「ああ、そうなん?式で君が倒れた時も、僕が受け止めたんや。
えらいほそっこくてちっさいし、君くらいん子は、ご飯食べるの嫌がるもんやから。」

「私はそのようなことはいたしません。
あの、身体はもう平気なので、教室に戻っても良いでしょうか?」

「そらぁ・・・・まだ、あかんよ。」

「え?でも、私はもう・・・・・・」


話しながらルキアはでは倒れていた時に自分が見た『白い羽』は、
ギンの着ていた『白衣』がひらめく様を見間違えたものかと不思議に思う。

しかしその考えも一瞬で打ち消し、とにかく今は早く雑談を終わらせ出て行こうと、
すぐにも布団をはだけ起き上がろうとするルキアの肩をギンはやんわり押し止めた。

不安げに見上げるルキアと目が合い、ギンはわざとらしいまでにニッコリと微笑みかけ、
殊更理由のわからぬルキアの不安を募らせていく。
意味ありげに間をおきルキアの問いに答えると、その不安の影をはっきりとルキアの瞳に見つけながら、
ギンはぐっとルキアと顔を間近に見合わせ逸らすことを許さない。


「勝手に決めたらあかんて。
大丈夫かどうか、僕が診てから決めることやから。」

「は、はぁ。では早めにお願いできますか?
ただでさえこんな醜態を晒してしまったので、一刻も早く教室へ行きたいのです。」

「それは、診てからのお楽しみ・・・なぁ?」

「・・・?」


もやもやとした不安の影が収縮し薄っすら形を成すのを感じながらも、この場から逃げ出すことは出来ず、
か細く震えだしているルキアが着ている真新しい制服の胸元のスカーフにギンはすっと手を伸ばす。
その手の動きに過敏に反応したルキアは、びくっとして僅かに身を引いた。


「そしたら、スカーフ外して、胸元緩めようか?」

「あ、あの、私は、もう本当に・・・・・っ!?」


溢れる不安と危機感にギンの手をかわそうと身を捩った途端、ルキアの頭がぐらりと揺れ、
目の前に伸ばされていたギンの腕にルキアは思わずしがみついてしまう。

己の腕の中にいるルキアの頭部を見つめるギンの目は、目の前の獲物を丸呑みにしようとする蛇のそれそのものであったことを、幸か不幸かルキアは知らない。もしその目を見てしまったのであれば、今度こそルキアは身体の芯から震え上がり、これから辿る自分の運命をその目だけで悟ったことであろう。

毒を含む甘ったるい声音で、ギンは逆に警戒心を煽るように噛んで含むような優しい口調でルキアに語りかける。


「自分では大丈夫思うてても、まだ身体はしんどい言うてるやろ?
早よ教室行きたいんなら、僕の言うこと素直に聞いてくれな。」

「は・・い・・・・・」


寄りかかっていた腕からルキアはゆっくりと体を起こすと、ギンの言葉にしぶしぶと頷き、
今朝結んだばかりのスカーフをしゅるりと外し、言われた通り胸元のホックを控えめに開け広げた。


「それ位やあかんよ。もっとがばっと開けんと。」

「なっ!?」


しかしそんなものではまるで満足できないギンは、再びルキアの胸元へ手を伸ばし、一気にそこを開け広げる。
全開にされたルキアの胸元からは可愛いらしいウサギ模様のブラジャーが晒され、その幼さに思わずギンは喉の奥でくっと笑った。


「随分可愛ええ下着しておるね。少し色気が足りんけど、それも逆に萌えるゆうもんや。」

「あ、あの、これは少し・・・・・」

「それにしても、こないちっさいおっぱいにこんなんいらんやろ。早よとって楽にしたらええ。」

「なっ・・・なっ・・・!・・・・・うひゃぁ!?」

「ほーら。楽んなったやろう。」


とても教育者とは思えぬ言動と行動にルキアが硬直している隙に、ギンの手がルキアの背中をすっと撫でた直後、
すぐに感じた違和感にルキアは赤面し、たゆんだブラジャーごと両手で胸を押さえる。
ひどく慌てたルキアの様を愉快そうに笑い眺めるギンに、数々の無礼な振る舞いに我慢の限度を越えたルキアは耐えきれずギンへと叫びキレた。


「な、なにをするか貴様!こ、これは医療行為ではなく、ただのセクハラではないのか!?」

「もう気ぃつかれたん?介抱するふりして、もっと楽しいことさしてもらお思っとったのに。」

「きさっ!貴様と言うやつは・・・・!それでも本当に教育者か!?」

「今時、先生呼ばれる人ん方が色々な事件起こしとるやろ。
ほんま、恐い世の中やね。ルキアちゃんももっと気ぃつけなあかんよ。」

「お前がそれを言うのかっ!?もうよい!私は教室に・・・・・・あっ・・・!」


何を言っても真剣さの欠けるのらくらとしたギンの対応に業を煮やし、ルキアは外されたブラを直しもせずにかけられた布団を跳ね除け、ベットから飛び降りようとしたが、またもやルキアの頭がぐらりと揺れ身体が傾ぐ。
ルキアの身体はベットからずり落ち、あわや床に叩きつけられそうになったが、ギンの腕がしっかりとキャッチした。


「ほーら。まだ、動けんやろ?無理したらあかんて。」

「・・・・・貴様。私に、なにかしたのか?」

「さぁて、そらどーやろうね?
でもこれで僕は、二回も君んこと助けたんよ。
そない恐い顔せんと、少しは僕に感謝して欲しいなぁ。

「くそっ!ふざけるなよ・・・っ!」


だがルキアはギンに少しも感謝する気にはなれず、己を抱き締め笑う男を忌々しく思い、
なんとか顔を上げ精一杯の強さで睨む。

この腕の中から逃げ出すことも出来ないくせにまだ心を折れさせず、
それどころか強い意志を持って睨みつけてくるルキアに感嘆していた。
その為、ギンは一瞬だけ口の端を下げ真顔になるが、胸の内から込み上げてくる愉悦にきゅーっと端を持ち上げる。


「可愛ええ顔して、汚い言葉使うたらあかんよ。
そうや。上だけ緩めてもだめみたいやし、下も脱いでおこうな。」

「やっ!?何を言うか・・・やだっ!やめろ!!」

「今脱いでおかな、皺ついてしまうやろ。」

「や・・・う・・・嘘、であろう?まさか、本気では・・・・・・」

「僕嘘吐きで有名やけど、得にもならん嘘は・・・ついたりせんよ〜」


ギンは更に強くルキアを抱き締め、器用な手先は今度はルキアのスカートの留め具を既に解放している。

バサッ

「!」

外されたスカートが足を伝い滑り落ちると後はルキアの下肢を隠すものなく、心細いまでに風通りが良いものになっていた。
今ルキアの下肢が身につけているのは、ブラとお揃いのウサギ柄の下着と長いニーハイソックスだけであり、
スカートまで脱がされた危機的状況にみるみるルキアの顔から血の気が引いていき、もう逃げられない真の恐怖を感じ取った身体は小刻みに震え出す。

そんなルキアの恐れの振動を目で身体で確認できる喜びに、普段閉じているようなギンの眼は開眼し、
舌なめずるような視線でじっくりとルキアを見下ろした。


「やぁっと自分の状況わかってくれたみたいやね。
そしたらルキアちゃんが理解してくれたんやし、もう、はじめてもええかな。」

「いや・・・だ・・・・・!いや!やだ!助けて!誰か助けて!!」

「いっくら叫んでも無駄やん。だーれも僕らのことには気付かんから。」

「な・・・!?」


ギンはここには他の人が『来ない』ではなく『気付かない』と言った。
それは決して言葉上のハッタリだけではないはずだ。
だって、入学式途中に校内で校医が生徒を犯そうとしているなどとても正気のサタではないし、
こんな所からでも大声で叫んでいれば、誰かしら必ず気付いてくれるはずではないか。

その意味の重大さを言葉より先に肌で感じたルキアは、怯えながらもしっかりと瞳を見開く。


「気付かない・・・だと?なぜ・・・そんなことが・・・・・」

「後で教えたげるな。今は、こっちが大事やから。」

「いっ!?」


しかしギンは質問になど答える気はなく、程よく剥かれ食べ頃になったルキアを布団の上へと押し倒し、
やっと訪れた食事の時間に嬉々として舌を出し真っ白な首筋をぺろーりと舐めあげた。


「ひやあぁっ!!!」

「すっべすべした肌なんやねぇ。
舌触りもええし、美味しそうな匂いもするし。期待以上の極上品や。」

「なにをして・・・あっ!いやだぁっ!・・・うぅっ・・・ふっ・・・・・あう!」


ルキアは暴れ抵抗を試みようとしたが身体の自由が利かず、万歳するように持ち上げられた両手は布団の上へと縫い付けられ、身動きの取れぬルキア露出したルキアの肌の上をギンの手が舌が自由に動き回り、その触れた場所全てに初めて感じる情欲の種を植え付け快楽を開花させていく。
強制的に与えられる初めての肉欲を刺激する快楽に弄されたルキアは、自分のものとは思えぬ今まで聞いたことのない媚びた悲鳴を上げぬよう、震える唇を噛み締めるがうまくいかない。


「・・・可愛ええ声で啼くんやね。僕、えらいぞくぞくしてきたわ。楽しいなぁ。」

「いやっ!あぁ・・・!こんなの、嘘・・・いやだぁ・・・・・」

「ええこと、教えてあげよか。」

「やだ・・・やめて・・・やだぁ・・・・・・」

「ここでやめれるくらいやったら、最初からこんなんせんよ。」

「ふあぁっ・・・!?」

「ええね。だいぶ感じてきとるみたいやん。ええ顔しとる。」

「う、嘘だ!いやだ!触るな!いやぁ・・・・・・」

「まだいやいや言うの?そしたら、もっとサービスしたげなあかんね。」

「えぇ!?やだ!そこっ・・・・・やだああああああああっ!!」


本来雪のように白い肌を朱色に染めあげながらも、望まぬ男から与えられる恥辱とそれに伴い発生する己の嬌声にルキアはひどく自尊心を傷つけられていた。だがギンの方はといえば、苦しげにしかめたルキアに怒りと恐れがない交ぜになっているのを見つけ、それもまたギンの本来備えた嗜虐心を滾り昂らせていく。
そんな自分勝手な欲望に燃え滾るギンは、もっとルキアを虐めたく絶望を煽るため、あわせるだけの軽い口付けを一度落とし、それからひときわいやらしい手つきでルキアに見せ付け、まだ誰にも犯されたことのない大切な領域を守る薄い布をゆっくりと引きずり落とす。


「処女やし未通は当然やけど、自分でも弄ったことないんやね。色も形もほんまに綺麗や。
ここに僕が一番乗りできるなんて感動や。ここの校医しとってほんまに良かったなぁ。」

「う・・・そ・・だ。こ、こんな・・・こんな、こと・・・・・
だ、だって私。わたし・・・は、今日、高校に入学した、ばかり・・・で・・・・・」

「どうしたんルキアちゃん。ぶつぶつ言うたりして。
いっぱいいっぱいんなって現実逃避する気やったら、ちょっと早ぁない?」

「え・・・っ!あっ・・・・う、ぁ・・・や・・・・・」


意識だけはハッキリしているのに、なぜか動かぬ身体ではどんなにキツく足を閉じようとしてもどうにもならず、ルキアの眼下で無常にも足が大きく開け広げられた。それだけでも顔から火が噴き出そうな程ルキアはショックを受けているのに、信じられないことにギンはかけていた眼鏡を光らせ、晒された秘密の領域に顔を間近に寄せ観察しはじめるではないか。

これにはさすがのルキアも叫ぶべき言葉すら思いつかず完全にフリーズしていると、見つめていただけのギンのにやけた口が開かれ、中からは蛇に酷似した厭わしい舌がちろちろと覗き獲物を求め長く伸ばされる様を、ルキアはとても現実のものとは受け入れられぬまま呆然として見守るしかなかった。


れっ・・・ろぅん

「ひぎっ!?」

「こん味、思うた以上や。
ルキアちゃんの処女はほんまに美味しい・・・なぁ?」

「やめっ・・・!」

ちゅううう・・・

「あ゛!はあぁっ!!!」

ちゅっ、ちゅちゅ・・・じゅ、ずじゅぅぅぅ!

「あぁっ!やぁっ!いやぁ!はひぃっ!?うぐっ!や・・・あっ!あっ!あぁ!!」


ギンの舌先が閉じた割れ目を丁寧になぞったかと思うと、見た目の痩せすぎなまでに細い体躯の割りに、
茂みのないぽってりと肉厚な下の口へと唇をあてがい大袈裟に音をたて吸い付いた。
ルキア自身全く気付いていなかったが、いつの間にか身体の芯が熱を帯び透明な蜜を吐き出していたそこからは、吸われ品のない水音が絶え間なくあがり、秘裂を舐め回される腰浮く快楽に痙攣し、初心なルキアは恥も外聞もなく泣き喚く。
そんなルキアの悲鳴すらギンの耳には心地良く、もっと激しく啼かせようとより一層の情熱を持って、長い舌をくねらせ容赦なくルキアを追い詰めよがり狂わせる。


「ひぃやぁ・・・やら・・・・・もう、こんな・・おねがっ・・・ゆる・・し、てぇ・・・・・」

「なんや、もう降参なん?
あかんやろ。こんくらいで音ぇあげとったら。
これからが長いんやし、もっときばってなぁ。」

「いや・・・だめ・・・許して。もう、やめてぇ・・お願い・・・」


紫水晶を思わせる輝く瞳から大粒の涙を流し素直に哀願してくるルキアの姿に、
今まで感じたことのない劣情にギンの全身にぞくぞくとした痺れがはしる。

今朝おろしたばかりであろう真新しいセーラー服は乱れ、上半身は脱がされないでも全開に肌蹴させており、
下半身はスカートも下着も奪われたのに黒いニーハイだけ残された姿は、全裸より確実に食欲を湧きたてた。


「そそるなぁルキアちゃん。
そん顔も、声も、身体も、味も、今までで一番そそる・・・・・・


人間、や。」


「・・・・・・え?」


肌粟立つような予想外の絶対的な快感に、思わずギンはかけていた眼鏡を外し緩んだ口元でフレームを噛み咥え、
締めていたネクタイに手をかけ緩める姿は、熱のない爬虫類から獰猛な肉食獣に変貌を遂げた瞬間でもあった。


「心配せんでもええよ。初めてでも全然痛ぅないから。」

「やあ・・・!」


見た目は変わらないのに先程までとは明らかに雰囲気が違ったギンにとまどうルキアをよそに、
ギンはルキアの上へと圧し掛かり、大きく膨張した楔を取り出すと柔らかな襞に擦りつけ打ち込む狙いを定める。
いよいよきてしまった破瓜の瞬間にルキアは身体を強張らせ息を呑むが、
思いのほかすんなりとギンはルキアの中へと沈んでいく。


ぬちゅ・・・くっ、ぬぬぬっ・・・・・・ずぐんっ!!!

「あ!あ・・あ・・・ひっ!・・・・・ひぃあぁんっ!!!」


初めては痛いものだという知識だけはルキアにもあったが、実際大きく太いギンの楔が未開の柔肉を割り裂いた時、
ルキアのそこからは痛みではなく身体の奥から痺れ疼くような、初めて感じる女の悦びと称されるものであった。
狭い蜜道を楔にずりずりと擦られる快楽に、亀頭に蜜壷の奥をこつんこつんと叩かれる快楽。
そのふたつの快楽をギンの腰が動くことにより、交互に絶え間なくルキアに与え攻め続ける。


「思うてた以上にせっまいなぁ。
普通やったら、痛い痛いて泣き喚くとこやろうけど・・・・」

「んんんっ!ふぁっ・・・はぁっ・・・・・」

「えらいよさそうやね。安心して続けられるわ。」

「あっ!はっ!いいいっ・・・・・やぁっ!」

「気持ちようてたまらんっちゅー顔になっとるよ。」

「!!う、嘘、だっ!貴様・・・いい加減なことを・・・・・はぐぅ!?」

ずぷん!


なぜだ。
なぜ、私は、こんなにも。


肉欲を刺激してくる快楽にもう馴染み順応している身体が自分でも信じられずにルキアは内心混乱していたが、ギンの動きに合わせ口から出てくるのは悦びに蕩けた甘い叫びだけ。挙句、そんな有様をギンにはちゃんと見抜かれており、慌てて否定しようとしたが今度はその唇を唇で塞がれてしまう。
唇を合わせただけのファーストキスとはまるで違い、開いていたルキアの口中にぬるりと長い舌をねじこませ絡みつけてくる。未知の感触に驚きながら、ぬめぬめとした舌同士が擦れ合う感触にも快楽が沸き立ち、息苦しさにひどく切ない気持ちで、力なくギンの腕にしがみつく。

存分にルキアの唇を堪能したギンはひどく満ち足りた表情で顔を上げ、
己の唇についたルキアの唾液を舐めとろうと、長い舌を伸ばしぺロリと舐めとった。
その様子をふやけた頭でぼんやりと眺めていたルキアではあったが、
勝ち誇った笑みを湛えたギンの顔が近づいてくると、ルキアの心に僅かだが怒りの火が灯る。


「どうしたん?嫌やったら、逃げてもええんよ?」

「逃がす気など、ない、くせに・・・・・!」

「まぁだそんな目ぇできるんか。ますます面白い子やね。」

「あぁっ!?」

「口で言うほど身体は嫌や言うとらんね。
狭いんもキツいんも変わらんけど、どろどろの愛液によう滑って、かなりええ具合になっとるよ。」

ぬちゅ、ぐぷっ、ぬぷぷ・・・

「うっ・・・くぅ・・ん・・・・・や・・・だ・・・やだあぁ・・・・・」


しかしそんなルキアの僅かな反抗すら許してはもらえず、ギンの腰の動きが激しさを増せば、
その激しさに連動しルキアを制しようとする快楽の熱も強さも増していく。
身体の奥を突かれる度に湧き上がる快楽は全く慣れることはなく、
逆にルキアの心も身体も侵され堕落していく様を、自分自身に見せつけ刻み込んでいるようだ。


「これやったら僕ん力使わんでも良かったみたいや。ルキアちゃんは感度ええんやね。」

自尊心をぐちゃぐちゃに踏みにじられながらも、肉欲に悦び溺れている己を呪う。
心と身体が別の感情に支配される辛さに、ルキアは涙をとめどなく流し溢れさせたが、
その涙さえ味わいつくそうと、ギンは肉薄な唇をルキアの目じりに寄せ囁いた。


「貴様の、力・・・だと・・・なにが、貴様の力、だと言うのか・・・?」

「あかん。余計なこと言うてしもうたね。
気にせんでええよ。君にはちゃんと教えてあげるつもりやったし。」

「教える気があるのなら今言えばよいではないか!」

「それはできん。今はそんなんより、こっちの方が大事やん。」

「なにっ・・・!あっ!あああっ!?」

ぱんぱんぱんぱんぱん!


とても大事な事を言ったはずなのにはぐらかすギンに、ルキアは起き上がり問い詰めようとしたが、
それ以上の追撃をかわそうとしたギンの腰は速度を早めだす始末。


「お喋りする余裕があるんやったら、もっとこっちに集中してや。」

「あひっ!?やっ!あぁん!・・・くっ・・・・・」

「気持ちええやろ?それやのにそんな顔したらあかんよ。
もっと素直に感じた方が楽やのに。ルキアちゃんは頑固なんやね。」

「ばかにするな・・・ひっ!?ぐ・・・ううううん・・・」

「あーええなぁ。
ルキアちゃんが感じれば感じるだけ、僕も元気になっていくわ。
こんだけ満たされるんも久しぶりやねぇ・・・」

「あっ・・・あっ・・・あぁ・・・はぁ・・ん・・・・・・」

「そろそろ一回締めとこか?いっぱい出すで・・・ちゃあんと受け入れてな?」

「やっ!?ま、まさか・・・!」

「ルキアちゃんの身体に、僕んもんやていう印つけておかんと。」

「やっ!?だ、だめだ!それは・・・それだけはいや!頼むからやめてくれ!!」


混乱と快楽にぐずぐずに蕩けたルキアが掠れたで喘ぎ続けていると、そこを打つギンの速度に熱が込められ、
それに何かを察したルキアがぞくりとし思わず腰が引けそうになったが、にやりと笑ったギンは両手で腰を掴み引き寄せる。


「んん?なにそんな怯えとるの?」

「あたりまえではないか!こ、こんなことで万が一のことがあったら・・・」

「万が一て?
・・・あー、そーかー。ルキアちゃんは子供が出来たらて怯えとるんやね。
それは心配せんでええよ。これは契約の儀式やから、僕との間に子供はできん。」

「契約、だと・・・?」

「もう終いにしたるから、余計なこと考えんで初めての快楽を心ゆくまで味わってや・・・」

「あっ!はひっ!ふくっ!つ、強っ・・・やっ!あっ!
やあぁ・・・・・・・っっっ!!!」


ずんずんとギンの腰が力強く叩きつけてきたと思うとギンの腰にぶるりとした震えが起こり、一際ふくれあがった楔をルキアの奥深くに突き刺したまま、絶頂の証となる白濁の液をビュクビュクとルキアの中へと注ぎ込む。


どくっ!どぷっ!びゅくくくっ・・・・・

「あっ・・・あぁ・・・・・お腹、いっぱ・・熱っ・・・はっ・・・はぁ・・・・・」

「・・・・・・あ〜ほんまによう出たな。お陰さんで、僕もお腹いっぱいになってしもうた。」

「え・・・?・・・・・あ?・・・あ、あぁ・・・・・!?」」


己を満たす熱に全身をわななかせ、極度に脱力した身体をぐったりと横たわせたルキアの上で何かが広がり、突然日が陰ったことになにげなく上を向いたルキアの目に、信じられないギンの姿が映されていた。
真っ白な白衣に緩めたネクタイ。
その点は変わらないのに、決定的に違っているところがひとつ。

ギンの背中から、大きく真っ黒な羽が生えているではないか。

その羽がベットの上いっぱいに広がり、ルキアから日の光を遮っているのだ。
作り物にしては精巧過ぎるそれは時々羽ばたき、ルキアは驚きながらも目が離せず呆然と瞳を見開き見守るしかない。
まさにはとが豆鉄砲をくらったような様子のルキアに、ギンは人ならざるものらしい悠然とした笑みを浮かべていた。


「どうしたんルキアちゃん。なにそんな驚いとるの。」

「な・・・あ・・・・・そ・・んな・・・・・」

「僕のこん姿見たの、人では君だけやからね。」

「貴様・・・その、羽は・・・・・本物・・・か・・・・・・?」

「ルキアちゃん。」

「っ!」


様々な疑問がルキアの頭の中を駆け巡ったが、とにかく目の前にあるその正体だけでも確かめようと、
喉から搾り出すような声でギンに尋ねてみたが、ギンは答えてくれず、異常に素早い動きで急激にルキアの顔間近に迫り、
ショックに息のむルキアに、ギンは赤い目を光らせ開眼し、口の端を最大に持ち上げ大きくはないのにやけに胸に響く低音で一言だけ宣言する。


「契約は、完了や。」

 

 

 

 

 

 

「う・・・・・わあああぁっ!?」


全身に汗かき、かけられた布団を跳ね飛ばしてルキアは飛び起きた。
目覚めたルキアの視界の先にいたのは、狭い机の下には収まりきらない長い足を組み、短い銀髪に眼鏡をかけた長身の白衣を着た一人の男。夢と同じく狐顔したその男は、叫び起きたルキアに驚き振り向いている。

「あ・・・あぁ・・・・・あ、れ・・・?」

叫び目覚めたルキアは、真っ先に己の身体を叩いたり撫で回したりして異常がないかを確認した。
ルキアの服は全く乱れておらず、身体にもおかしな違和感はない。

もしかして、今のは全て、夢、だったのだろうか・・・?

もしそうなのであれば、まったくなんて夢をみてしまったものか。
そんな経験もないくせにやけに感触はやたらリアルで、しかも入学式中に校医に保健室で犯された挙句、人ではなかったというのだから。夢とはいえ我ながらとんでもない設定に顔を真っ赤にし、不思議そうに自分を覗き込んでいる校医の視線から俯きそむけた。


「なんや?いきなり大きな声出して、どうしたん?」

「・・・・・・え?
・・・・あ・・・・あの、こ、ここ・・・ここは、保健室・・・ですか?」

「そうや。君、入学式で倒れてしもうたんやんけど、覚えとる?」

「あ・・・はい。なんとなく、覚えて・・・います。
・・・あの、私はどれくらい眠っていたのでしょう?」

「ん〜?そんな心配する程寝とらんよ。大体・・・20分くらいやろうか?」

20分?それでは、式の方は・・・」

「もうすぐ終わるんとちゃう?具合悪なかったらもう起きても平気やろ。
式が終わったら担任の先生ぇが迎えに来るはずやし、準備しとった方がええよ。」

「あ・・・はい。もう、大丈夫・・・です。」

ドンドン!

「すみませーん!倒れた生徒は大丈夫ですかー?」


嫌な夢を見せられたベットから慌てて降り立ち、ルキアが制服のよれを気にし丁寧に直していると、
丁度保健室のドアがノックされ、その元気の良さにギンは思わず苦笑を漏らす。


「病人がおるゆうんに・・・体弱いくせに、浮竹先生は元気やなぁ。」

「あ。はい。もう大丈夫です。今、行きますから。」

「ああ。そうや、君。」

「はい?」


奇妙な夢の内容は気になったが、今はとにかく教室へ戻る事が先決と、
ルキアは嫌なものを振り切るように急ぎドアへと駆け寄ろうとしたが、ギンの呼びかけに足を止め振り向く。


「僕らの契約内容、まだちゃんとは言うとらんかったね。」


「・・・・・・っ!?」


振り向いたルキアと眼鏡を外したギンの赤く光る瞳と目が合った瞬間、突如二人の周囲から音が一切なくなった。
外部から遮断された感覚にルキアが動揺する間もなく、椅子に座ったままの校医の背から、
大きく真っ黒な羽が伸ばされている様を呆然と眺めるしかなかった。


「処女奪われたけど、身体の方は平気やろ?
これからは一週間にいっぺんは、今日みたいに僕と交わってもらわなあかん。
この契約が実行されんとペナルティに、なにかしらの災いが起こるやろうから気ぃつけて。な?」

「な・・・な・・・・・お前・・・一体・・・・・!?」

「見ての通り。ただの悪魔やん。」

「あ・・悪魔・・・だ、と・・・まさか、本当に・・・?」


夢であって欲しかった光景が逸らしようのない現実として具現化された事実に、驚愕と飛び越え震撼したルキアは真っ青な表情でその場に凍りつく。そんなルキアの目の前で、ギンはひけらかすように一瞬で羽をしまいこむと、まるで何事もなかったかのようにゆっくりと眼鏡をかけ直し、嫣然として舌先をちろりと覗かせながら、ひどく艶かしい動作でネクタイを掴みグッと緩めた。


「そしたら待っとるから、また、僕の保健室においで。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏 top

※最近の私の日記を見て下さっている方ならたぶんおわかりのことでしょう。
そうです。この作品はある漫画の影響を多大に受けたものであります。
ち、違うんですよ?最初は、白衣で眼鏡な普通の校医さんにニーハイ・セーラー服なルキアをただ悪戯して欲しかっただけなんですけど、
あの漫画を読んだ後『そうか。人じゃないと学校内で色々するのに 便利 だな!』と気がつき、だったらいっそ人じゃなくしちゃえばいい☆
と、急遽、 悪魔な校医 という卑怯でもあり、ある意味 最大にて最凶なギン が誕生してしまったのです〜!!!
しかしそんな情熱とは裏腹に、無駄に長い上エロとしても中身としても表現としても書けば書くだけ非常に不満の残る出来栄えでした。
お待たせしたのにこんなもので本当に申し訳ありません。しかしこれが私の実力で精一杯でした・・・orz(爆破!)
表では魔王ギンがルキアに手を出せない分、こちらのギンには魔力を解放し 好き勝手 に頑張って欲しいよ! (続く、の、か・・・?)
※白衣ギンはな○ねさん。ニーハイルキア着エロはか○えさんと熱望して下さったお二人の為に書かせて頂きました。少しでも楽しんで頂ければいいなと祈って・・・
2011.8.8

material by Piece

inserted by FC2 system