手首を掴まれ、無理矢理乗せられたエレベーターという密室空間での息苦しい沈黙に耐え兼ね、先に声を上げたのはルキアの方。
極度の緊張と恐怖に心臓は打ち狂い、震える声と身体を無理に抑え、芯は気丈なルキアは冷静に対処しようと表面上だけはなんとか平静を装うった。


「ど、こへ行くんですか?」

「変なとこちゃうよ。ここ僕ん家やから。」

「あの、私、もう、帰らなければ、いけません。なので、手を、はなっ、放してください。」

「せやからあかんよ。僕んことも、少しは思い出してくれなあかんて言うたやろ。」

「で、でも、でも、兄様が・・・兄様は、貴方に、近づいてはいけないと・・・」

「そんなん言うとるから、いつまで経っても思い出せんやろ?
もうええやろ。僕は十分待ったんやし、あとは僕の好きにさしてもらうわ。」

「や!やだ!手、はなし・・・・・!」


ポーンと音がしてエレベーターが止まると、半ば引きずるようにしてルキアを連れドア前に辿り着く。
逃げ出そうともがくルキアの手首をがっちり掴んだままドアロックを解除し、素早く中へと引き入れるやいなや、
靴を脱ぐ間でも待つことが出来ず、長らく求め恋しんだルキアの唇を唇で塞ぐ。






市丸ギンは機嫌が悪い   〜 第4話 〜





 

「う゛っむぅっ!んっ!んんっ!!・・・い、きなり、なにをする!」

「ふ・・・ええね。そん言い方。僕のルキアちゃんらしゅうなってきたわ。」

「私は貴様の知っている私ではないと何度言えば!私は帰るぞ!そこをどけ!」

「だいぶええ感じやけど、まぁだ思い出せんみたいやね。」

久しぶりに味わえたルキアの感触に満足し笑ったギンは、ひどい暴挙にいきりたつルキアをひょいと抱き上げ真っ直ぐ自室へ連れ込むと、
即座に大きなベッド上に横たえ、逃げられたり反撃されぬように両手首を掴み、愛でるために捕らえた蝶を標本するかのごとく抑え付け、
怯えきり引きつったルキアの紫紺の瞳を間近で覗き込んだ。

「っ!い・・・う、嘘であろう?お前を覚えていない者を、まさか、本気で・・・?」

「ルキアちゃんに記憶があろうがなかろうが、そんなんもうどうでもええよ。」

「え?なん・・・だと・・・・・?」

「ルキアちゃんが覚えとらんでも、僕はルキアちゃんを愛しとる。
どんなんなってもそこは変わらんのやし、それやったら早よう僕んもんにしたらよかったんや。」

「いや・・・だ!やめ・・やだ、やめ・・・・・」

「ルキアちゃん。愛しとる。」

「いやいやいや!誰か!たすけっ!うぅん!?うむっ!?ん!?んーーーんんっ!!」

迫ってくるギンの顔を避けようと必死に顔を背けたルキアだったが、抵抗虚しく再び唇を塞がれる。
それでも叫ぼうとする声が口から伝わりギンの頭の中に反響する。
そのお蔭で無防備に開いた口中へ、ぬらりと舌を楽に差し込むと、今度は抵抗ではない絶叫がルキアの喉の奥からあがった。

追い払いたくともさすがに舌に噛み付く勇気はなく、常人のそれよりも遥かに長く意識ある生物のように動くギンの舌に絡め捕えられ、
その未知なる感触から生まれる情欲に泡立つ全身をゾワつかせ、震えは恐怖から淫らな快楽へと上書き変換されるのにさほど時間はかからなかった。

「ふぁ、はぁ・・・んく・・・あ・・・やぁ・・・だ・・め・・・こんな・・これ以上はもう、だめだ・・・」

「覚えとらんわりには、あん時とおんなじ顔しておんなじ事言うんやねぇ。」

「やだぁ・・・し、知らない・・・わからない、わからないのにぃ・・・!」

「わからんのに、身体は反応するんやろ?」

「!」

「口ではいやや言うながら、ほんまはルキアちゃんも、ふっかいキッス好きやったもんなぁ。
やっぱり記憶なくとも、身体は覚えとるいうことみたいやねぇ。
それやったら、僕の身体もちゃーんと教えておかなあかんか。」

「え?・・・んんくっ!?」

抵抗した際、髪を振り乱し制服は着崩され、
更には沸き立つ情欲に翻弄され、
顔を赤く火照らせ大きな瞳は気だるげに潤んでおり、
荒い息遣いにだらしなく開いたままの艶めく唇。

今まで願いながらも叶わなかった、初めて見たルキアのそそるふしだらな様に、
普段の凛々しさとのギャップもあり、大いに色欲をそそられたギンは躊躇なくむしゃぶりつく。

ぬろぬろと舌をいやらしく絡ませ味わい吸いながら、その指はルキアのブラウスのボタンを流れるように全て外すと、
手早く片手を背中へと回した瞬間、魔法のようにホックが外れ、ブラの下に隠されていた薄い胸が露わにされた。

指長く大きなギンの手を、とても満たせぬ微々たる膨らみ。
掴み揉みあげることが出来ない代わりに、柔らかくも強く手のひらを押し付けるように全体を撫で回しては寄せ上げ、
その合間に胸の蕾を両方摘ままれ、痛みを感じる寸前の絶妙な力加減で嬲られれば、嫌がる女に勝手な振る舞いをする男に嫌悪する心に反して、
身体は強烈な性的刺激に目覚めつつあり、理性を無視して悦びに震え濡れていくのを抑え抗うことが出来ずに流されてしまいそうになる。

軟らかだったルキアの未熟な蕾がしごかれる刺激に反応し固くなると、頃合い良しとしたギンがやっと口を解放し、
酸欠気味に朦朧としているルキアの白い喉に蛇のように舌を這わせた。
首筋から一旦上がり耳たぶを軽くはむと、舌は再び首筋を下降していき骨をなぞり遊びながら、
やっと辿り着いた頂きを味見のごとく一度ぺろり舐め上げると、捕食するように唇と舌をすぼめ小さな蕾に吸い付く。

「あっ!?いあぁっっ!?」

ぷっくりと腫れたように立ち上がった蕾を、飴玉のようにころころと性急に転がしてはぎゅっと舌先で押しつけたかと思うと、
急にゆっくりとなぶるような動きで乳輪をいたずらになぞり、ゆったりとした愛撫に恍惚としていると、今度は蕾に軽く歯を立てられる新たな刺激にハッとさせられる。
もちろんその間、唇の愛撫から逃れられた片胸もずっと指に弄られ続けたし、同じ間隔で交代しながら両胸を吸われ続けた。
知らぬ男に絶え間ず高度な技巧で敏感な胸を可愛がられる、恐怖と混乱と恥辱と官能がルキアの中で対立葛藤が激しく渦巻き、
その背徳感に昂ぶった涙が溢れ、身体は焔が宿ったように疼き滾る。

いつの間にか脱がされていたスカートがベッド下に落とされていたが、朦朧としているルキアには、上半身は辛うじてブラウスは着ているものの、
そのボタンとブラは外されており、下半身は可愛らしいショーツ一枚に黒の二―ハイだけという、裸よりもそそられる恥ずかしい恰好にされていたとはわかっていない。
ルキアの全身から力が抜けぐったりとしているのをいいことに、ギンはルキアを抱き上げると背後からすっぽり包み込む体勢をとり、
更に長い脚を器用に使いルキアの足間に割り入れ開き、閉じたくても閉じられないよう完全にロックした。

ルキアの方は理性が効かず暴走していく己の肉欲と、ピンポイントで攻めて追い詰めてくるギンを恐れながらも、
若干の怖いものみたさな好奇心と快楽に溺れながら、壊れた人形のように言葉だけは拒否を繰り返す。
下着ごしでもわかるほど膨れたクリトリスの芽をクニュリと潰す。

 

「い゛ぃっ!?ひっ!ん゛ん゛ん〜〜〜・・・!!」

 

押された瞬間ルキアの身体が軽く跳ね、下着奥の秘所からピュッと僅かに潮が吹き出すと、
じんわり下着を濡らし大きな染みが広がり、軽い絶頂の余韻に蕩けた表情で色づく吐息を繰り返す。


「ちょこっと押しただけやのに、はじめてのはずやのに随分派手にイったなぁ。」


一応無理矢理はじめた行為であるはずだが、ルキアはちゃんと感じてくれているらしい。
それは、意識化ではギンを忘れ拒否していても、無意識下では覚えて受け入れてくれているのではないだろうか。

かなり自分に都合良い解釈ではあるが、ギンとしても最愛の人を取り戻そうと必死なのだ。
どうしても記憶が戻らないなら、このまま強引に犯し既成事実を作り逃さぬように縛り付けることも考えている。
本当はキスだけで止めようと思っていたが、完全に本能に火が点いてしまっては仕方がない。


あとは余計なことは考えず、腕の中で放心しているルキアを全身で感じることに集中した。

 

「ふっ・・・はぁ・・・はっ、はぁ・・・あっ・・・」

「ちょこっと押しただけやのに、はじめてで随分派手にイったなぁ。
もっともっと気持ち良うさせたげるわ・・・」

「や、やぁ・・・こわい・・・もう、やめ・・・・・あいっ!?」

「・・・めちゃめちゃ濡れとる。つるつるのぷにぷにで、すけべなええまんこしとる。」

「あっ!?あ、あ!やぁ!やめ!だめぇ!!」

 

待ちに待ったルキアのショーツの中へと片手を差し入れ、潮と蜜に濡れた茂みのない秘所の割れ目をなぞると、
細長く繊細ながら骨ばった男の指をぐいと突き立て、入口付近で指先とはいえルキアのそこに初めて包まれた感覚に、
背筋にゾクリと卑猥な快楽が駆け抜けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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gin top

※お待たせした挙句、半端なところできってすみません。
 今日旅行に行くので取り急ぎ更新しますが、不完全なので後で手直しする予定。
 
 今回の連載にあたり、久々のコメントや拍手がもらえてとても嬉しいです^^
 そして伝説の絵師、前田さまの復活に素晴らしい絵も頂戴できまして、我がヲタ人生悔いなし!な幸せ。
 なんだか最近、かつてヲタ活動を懸命にしていた時期を思い出すウキウキ感^^
 当時を思い出し次こそ早く更新できるよう頑張りたい!
 もしお気に召して頂けたなら、最後まで見ててくださいね〜〜〜^^/
 2016.8.4

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