『 ルキア DE アトリエ 』 
#1. 三人探索ラブバトル発生編( 一護×ルキア×ギン )


空を覆い隠すまでに生い茂った大樹の葉。
辺り一面あまり見覚えのない不思議な形の草木が生えており、ほとんど人が入らぬ故に踏み固められてはおらぬ道なき道を歩く三人は、
先人になぜか戦闘値が異様に高い医者の卵の少年。真ん中には半人前の錬金術師の少女。
そして最後尾を守るのは、年若くして異例の大出世を果たした青年王族騎士団団長というなんともよくわからぬ組み合わせのパーティーだ。

三人は魔力溢れるこの森奥深くにあるという『千年果実』の樹の葉を求め、先程から森の中を彷徨っていた。
『千年果実』とはその名の通り千年に一度実をつけると言われる不思議な果実で、その実の存在は文献のみで知られている幻の果物だ。
なので実の採取はほぼ不可能ではあるのだが、その実を宿す木々事態にも不思議な力が宿っており、
その葉は錬金術を行う際の貴重な材料として重宝されていた。
少女は病気の姉を治す万能薬の材料に、癒しの力を秘めた葉を求めこの森へとやってきたのだった。
しかし森にわけ入り随分と時間もたっている。
先頭を守る少年は溜息とともにとうとう音をあげ、歩を進めながらも睨むように地図を見つめているルキアの方へと振り向いた。

「・・・なぁルキア。方角は、本当にこっちで合ってるんだろうな?」
「う、うむ。先程ここの双子岩を越えてきたから・・・こちらで間違ってはいないはずなのだが・・・」
「だったらもう着いてもいい頃だろ?まさかとは思うが、俺達迷ってんじゃねーだろーなー」
「だ、大丈夫だ!こちらで!きっと!・・・・・・・・たぶん・・だが・・・」
「なんだよ。最後のたぶんって!」
「仕方なかろう!私とてこの森は初めてなのだから!」
「なに開き直ってんだよ!こんな広い森から抜け出せなかったら、俺達どうなるかわかってんだろうな!?」

いつものように口喧嘩を始める二人の様子を、後ろからやや面白くなさそうに口をへの字口に曲げ眺めていたギンは、
これ以上目の前でいちゃつかれてはかなわないとばかりに二人の間に割りいった。

「そないぎゃーぎゃー喚くくらい恐いんやったら、君もう一人で戻り。
あとは僕とルキアちゃんだけで行くからええよ。」
「なっ・・!?んだと・・・・・!」
「こらギン!お前はまた余計な事を申すな!そうでなくともお前達はいつもいつも・・・!」

「お前はいらん言うたんや。早よぅ街に帰り帰り。
あとは二人きりで行こうなー☆ルキアちゃーん♪」

「きゃっ!?」

「なっ!?」

言うが早いが気軽な調子でルキアに思い切り抱きついたギンにルキアは驚きの声を上げ、
もう何度となく見せ付けられた光景ながら、その度に一護は目を吊り上げ気色ばむ。

「なにどさくさにまぎれてルキアに抱きついてんだ!?お前こそ早く離れろっ!!」

「いーやーやー。ルキアちゃんは僕が守るんやもーん♪」

「こ、こらギン!貴様変な挑発をするでない!そして一護!お前もすぐに興奮するな!
どうしてお前たちはいつもいつも・・・って・・・・・うわっ!?」

・・・ドタンッ!

「「ルキア(ちゃん)!?」」

こちらも毎度お馴染み一護VSギンの口喧嘩勃発に、未知なる森の探索で迷いかけているのにこの二人は飽きもせずになにをしているのだと、
自分の事は棚に上げているルキアはギンの手を振り払い、数歩後ろに下がった途端、何かに足をとられ派手に滑り地面へと転がった。
そうなるとルキア崇拝者の二人は喧嘩など一瞬で忘れ、どちらも素早くルキアの傍へと駆け寄り救いの手を差し伸べる。
ルキアはなんとも情けない表情で差し出されたどちらの手も掴み立ち上がると、気恥ずかしさを誤魔化すように懸命に服の汚れを手で払うマネをする。

「・・・こんなところにまで根が張っていたのか・・・不覚にも気づかなかった・・・・・」
「ほらな〜。やっぱりルキアちゃんは僕が捕まえておかんとあかんやろ?」
「なに言ってんだよお前!・・・いや、とにかくルキア!大丈夫か!?」
「膝を少々擦り剥いてしまったが、特に問題は・・・・・痛っ!?」
「無理すんじゃねーよ!どこ痛めたんだ?見せてみろ!」
「どうやら、足首を捻ってしまったようだ。」
「・・・そうだな。ここを捻ったんだな。じっとしてろよ。今、薬を塗ってやる。」

一護は辺りの野草から痛み止め効果のある野草の葉を一枚毟り取ってから、
常備している軟膏を取り出し痛めた箇所に丁寧に塗りつけ、その上に葉をあて綺麗な布で手早くルキアの足首に巻きつけ固定させる。
その手際の良さに感心したギンは、珍しく茶化しなく一護へと話しかけた。

「さすが医者の卵やね〜。えらい手際がええんもんやなぁ。それやのになんであんな強いん?
剣術に通じた医療班なんて君、ほんまに騎士団に入隊してくれんかな〜?」
「珍しいな。あんたがスカウトかよ?案外仕事熱心なんだな。・・・そんな風には見えねーけど。」
「僕の代わりに騎士団長やってくれん?
周りがなれなれ煩うてかなわんかったから仕方なくなったったけど、面倒な仕事ばっかりでほんま困るわ〜」
「結局あんた、面倒な仕事の肩代わり探してるだけなんだな。・・・どうだ?ルキア。痛くねぇか?」

「す、少しだけ・・・・・っつ!」

結局は己の損得にのみ関心のあるギンの発言に内心呆れ、一護は治療をおえたルキアへの様子を伺った。
ルキアは挫いた足を恐る恐る地面へとつけると、少しだけ力をのせてみたその瞬間、
そこから鋭く刺すような痛みを感じルキアはよろけ、一護はそれを抱きとめた。

「おっと!大丈夫かよ?いきなり無理するな。」
「あ、あぁ・・・すまぬな。一護。」
「骨に異常ない。でも少し腫れてきたな。この薬を塗ったらあとは安静にしておけ。すぐに治る。」
「しかし!私は千年果実の葉を取りにいかねば・・・!」
「莫迦野郎!こんな足でここを歩くのは無謀だ!
・・・今日は諦めて、また後で来ればいい。また俺が、付き合ってやるから。な?」
「う・・・・うむ。・・・そうで・・ある、な・・・・・・」

己の無謀さをたしなめられ、ルキアは叱られた子供のようにシュンとなると素直に頷き申し訳なさそうに顔を伏せた。
一護はやれやれとばかりに元気付けようとルキアの頭をぽんぽんと軽く叩く。

「よし。じゃあ俺の肩に掴まれ。今から戻れば夜になる前に街に戻れる。」
「すまぬな一護。余計な手間をかけさせて・・・・・わぁっ!?」
「おいっ!なにしてやがる!?」

辛抱強くしばらく傍観していたギンは、やっと自分の出番だと言わんばかりに素早くルキアの背後に歩み寄ると、
一護の肩に手をおこうとしていたルキアを軽々と持ち上げると、横抱きにしっかり抱きながらルキアへにっこり微笑みかける。

「そしたら後は僕がルキアちゃん担当してあげるわ。任せとき〜♪」
「な!ギン!!ここまでせんでも良い!ちゃんと自分で歩けるわっ!!」
「そんなん言うて怪我したんやろ?ええから大人しゅうしてや。」
「おいオッサン!俺に代われ!ルキアは俺が!俺が運ぶ!!」
「誰がオッサンや。ほんま今のガキは口の聞き方ゆうもん知らんのやね。」
「下ろせギン!下ろしてくれ!!」
「代われ!俺に代われ!!」
「はいはい。ええから静かに歩こうな?今化けモンに会うたら面倒やんか・・・・」

喚きたつ二人の声などどこ吹く風で、ギンはルキアを決して離さず、
またそんなギンからルキアを奪おうと一護は懸命にまとわりつきながら、三人は騒々しく不思議な森を後にしたのだった。

 

 

 

 

 

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※あからさまな回数稼ぎのランダム拍手SSですみません。(いや、SSですらないただの設定集。)
なのに予想以上にたくさんたくさん押して頂き、お陰様でカウンターが2日でまさかの千を越えました!
本当にすみません。申し訳なく思いながらもたくさんの拍手は正直とても嬉しいです。ありがとうございます。
ランダム表示は面倒かもしれませぬが、例え形だけでもたくさん拍手してもらえるのがサイト運営での密かな楽しみなので、
皆様どうぞ平に平にこの道楽をご容赦下さいませ。(平伏)
しかしSSにすらならぬただの妄想ゲーム設定集に、想定外に押してもらえたので(妄想設定集なんて皆興味ないと思ったし)、
だったらこの設定でイベントSSでも書いてみようか!と得意の調子こきに突如閃いてしまいました。(たぶんシリーズ化の予感)

これは一護・ギンどちらも好感度50〜70以内に設定し、三人で探索に出ると発生するイベントと想定。
イベントスチル(特別画像とでもいいますか)は、足を挫いたルキアを気遣う切なげな表情の一護のアップ画と、
喚き暴れるルキアを無理矢理お姫様抱っこしてご満悦な騎士団長ギン画の二種。(隣で非難に喚く一護の姿有w)
三角関係の恋のかけひきも楽しめるシステム搭載・・・してたら本当に面白そう☆
ちなみにここは隠しキャラの彼が住まう魔力の森。
イベント発生させる難易度の高い条件を揃えることができたら、森に入って間もなくルキア一人はぐれるイベント発生。
迷子になったルキアの元に、でっかいファーを首に巻いた彼が颯爽と現れるんだよ・・・きっとね!(ワクワク♪
2010.7.13

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